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若者ら神楽やる気満々=広島から衣装寄贈受けて

2006年12月5日付け

 ブラジル広島神楽保存会(道菅武人代表)はこのほど、母県広島にある安芸太田町津浪神楽団(末田健治団長)から衣装の寄付を受けた。寄付されたのは舞台「ヤマタノオロチ」に登場するスサノオノミコトや奇稲田姫(くしなだひめ)、老夫婦の衣装五着のほか、袴四着、直系四十センチもあるひょうたんなど。会員らは早速練習に使っていきたいと喜んでいる。
 同保存会は、毎週日曜日の午後、十五人ほどの若者が同県人会に集まり練習を重ねている。取り組んでいる神楽は、島根県石見地方に伝わっているもの。大太鼓、小太鼓、手打鉦、笛で構成される囃子、金糸、銀糸で刺繍された豪華な衣装とテンポの速い舞い方がその特徴で、「ブラジル式のアレンジも加わっている」と同会前会長の細川晃央さんは説明する。
 会は、県人会文化部活動の一環として六九年にスタートしたが、会員の死去や老齢のため減少するなどして、十年ほど前に活動休止に。しかし、郷土の伝統文化を絶やすまい、と昨年一月、興味を持った若者たちを中心に、女性十二人を含む三十七人が集まり、再結成された。
 同年三月頃には国際交流基金の「日本文化紹介助成」制度を利用して、広島の同神楽団の末田さんと尾坂秋三さんが来伯し、指導をおこなった。その成果を披露した同年四月の文協大講堂での発表は好評を博し、その後も精力的に公演を重ねてきた。
 案内に来社した細川さんは「(衣装をもらって)団員もとても喜んでいます。神楽舞を後世にぜひ残していきたいので、興味がある人は誰でも大歓迎します」と語っている。
 同会の入会や見学などは0(電話11・3207・5476)まで。

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