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岐阜県人会=親睦団体から脱皮=公益団体化を確認=定款改正、正式登録待つ=来年の70周年祝典準備始める

2007年2月16日付け

 ブラジル岐阜県人会(山田彦次会長)は十一日午前、同会館で臨時総会を開催してOSCIP(公益民間組織)登録に向けた定款改正を行い、続いて定期総会では新会館建設の意気込みを確認しつつ、来年に迫った創立七十周年式典の準備について出席者約二十人が話し合った。
 「将来、県人会は親睦団体ではなくなる」との山田会長の決断により、連邦政府からの財源を期待して公益団体化の検討を始めたのが〇五年暮れだった。
 今回の臨時総会により、定款に「社会福祉の促進」「文化事業、歴史遺産および芸術資産の保護活動促進」、「生産、販売、雇用、クレジットの各分野における非営利目的の試験事業」「各種の調査研究や技術的科学的情報および知識の生産と広報活動」を加えることを決議、あとは正式登録を待つだけとなった。
 続いて定期総会では今年四月に訪日する県費留学生、吉田理恵さん(22、三世)がまず日本語で「日本の美しい文化を知りたい」と自己紹介した。
 〇六年と〇七年の事業内容と会計の報告が行われ、拍手で承認された。
 〇六年決算によれば〇五年からの繰越金約七千三百レアルを含めた収入は約八万四百レアル。支出は約七万八千二百レアルで、〇七年への繰越金は約九千五百レアルだった。
 〇七年予算は同繰越金を含めて十万一千五百レアルの収入、支出は十万五百レアルで〇八年への繰越し予定は五百レアルのみ。年会費は今年も百レアルに据えおくことが確認された。
 〇八年の七十周年式典に向けて、先月十九日に同準備委員会が設立されたことも報告された。岐阜新聞社が日本移民百年祭の意味も込めてサンパウロ市で盛大な花火大会を計画しており、慶祝使節団も予想されている。
 山田会長は「県費留学生OBはすでに七十数人いる。研修生を入れれば百人以上だが、現在も会費を払ってくれている人はその一〇%もいない。もっと県人会活動に積極的に参加してほしい」と呼びかけ、「真剣に考えないと県人会はつぶれてしまう。もっと危機感を持ってほしい」と真摯に訴えた。
 厳しい財政状態の中で打ち出した新会館建設計画にも触れ、五月に母県を訪問して関係者に協力を要請する予定を明らかにし、「新しい世代が中心になって活用してもらうために建設する」と若者の参加への強い期待感をしめした。

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