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移民の歴史にも関心=甲南女子大から研修生

2007年2月23日付け

 甲南女子大学(神戸市灘区)文学部多文化共生学科の学生四人が十五日に来伯、現在、サンパウロ市を中心に「第三回ポルトガル語ブラジル文化研修」を行っている。
 来伯した四人は、橋本千英(四年生)、橋本奈実(三年生)、澤田佳子(三年生)、谷口恵子(二年生)さん。橋本千英さんと澤田さんは同文化研修を通じて二度目の来伯となる。
 同文化研修は、二〇〇三年から二年おきに実施されている制度。
 一行は一カ月間の滞在中、ポルトガル語集中講座に参加するほか、移民に関する理解を深める目的で日系福祉施設「憩の園」や移民史料館、博物館などの視察を行う。サンベルナルド・ド・カンポ市のファヴェーラ(スラム街)見学や、アルモニア校生徒との交流、ホームステイなども予定。リオ、レシーフェ、イグアス、マナウス、北東部などの滞在も予定に入れているという。
 現地でポルトガル語を耳にした生徒たちは、口をそろえて「会話が早くて、なかなかついていけない」と感想を話す。
 四十時間のポ語集中講座を通して、「耳を慣らしたい」「今は聞くのが精一杯で話すところまでいかないが、もっと流暢に話せるようになって帰国をしたい」と言語習得を目標としている生徒も多い。
 中には、「できれば勝ち負け抗争について知識を深めたい」という生徒も。「滞在中は、たくさんの移民の方々から話を聞きたいと思っています」と目標を話していた。
 一行を引率してきた同学科助教授のリリアン・テルミ・ハタノさん(リオ州出身)は、「移民について知る術として、この文化研修は良い機会」と述べている。
 「生徒たちには、日本で報道されるニュースだけでなく、色々な人に触れて(ブラジルに住む)人間の雰囲気というものを感じ取ってほしい。若い人たちの五感を上手く活用して、できるだけ色々な面で吸収してもらいたい」と話し、「結果はすぐには出なくとも、いつかブラジルと日本の架け橋となる子供たちになってもらいたい。ある意味〃長い教育〃ですね」と研修の意義を語った。
 なお一行は、三月十四日に帰国する。

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