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桜広場を日本庭園に改修=プ・プルデンテ=市主体に百周年記念事業=水川さん「非日系が熱心」

2007年6月9日付け

 各地で日本庭園を作っている造園師、水川昇さん(79、岡山県倉敷市出身)=プレジデンテ・プルデンテ在住=によれば同市役所が中心になって、市街地の外れにあるプラッサ・セレジェイラ(桜広場)を改修して、百周年記念公園にする計画が進んでいる。広場を日本庭園として改修するほか、五重塔や鳥居なども設置する計画だ。来月ごろから工事を開始、来年三月をめどに完成する予定だという。
 プルデンテ市の桜広場は移民七十周年を記念して、一九七八年に同地日系社会の明治会が作った。広さはおおよそ八十メートル四方。当時植えられた桜や梅はその後の手入れが悪くて全て枯れてしまったが、石灯籠や記念碑は残っている。
 今回は、百周年を記念して市が中心となって、枯山水の日本庭園に改修工事をする予定だという。すでに六十キロほど離れたタシバ市に石材を視察に行き、約四十トン分を発注した。さらに鉄筋コンクリートの五重塔を建設し、公園の入り口には鳥居もたてるという。
 石材を一緒に視察に行った、汎ソロ日伯連合文化協会の纐纈俊夫会長(66、二世)によれば「七月ごろから工事が始まるのでは」という。
 加えて、百周年のロゴマークをかたどった記念碑を設置し、〇八年三月頃に完成させる見通しになっている。
 これらの企画は、市の幹部が中心になって進めているものだ。設計監督を担当している水川さんは「百周年は白人の方が日系人より力を入れてますよ」と笑う。
 「小さいのを入れれば百ぐらいの日本庭園を手がけた」という水川さん。「非日系人が個人の庭の日本庭園を造りたい、といって依頼してくる事も多い」と最近の傾向を語る。
 水川さんの父、哲雄さんは岡山県で彫り師として修行した後、移住。アルバレス・マッシャードにある日本人墓地の御身堂の欄間(らんま)の彫り物を手がけた。このほかにもサンパウロ市の東本願寺の欄間や、リベイロン・プレットの東本願寺の彫刻類、プルデンテの東本願寺の欄間など数多くの仏教彫刻も手がけている。
 一九三〇年、三歳で親に連れられてきた水川さんも親の血をひき、日本庭園を通して日本文化をブラジルに広める仕事に精進している。

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