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植民地は元のジャングルに戻っていた=同次入植者らグァマ桟橋に立つ=当時の美青年、もう70歳代

2007年6月26日付け

 五七年、パラー州のグァマ植民地に入植した第四次四十七家族は、去る二日、ベレン市の高級レストランで、入植五十周年記念集会を開いた。同植民地造成は、海外協会連合会(JICAの前身)が企画、実施した。
 記念集会には、全ブラジルに散っていた六十四人が参加した。この日は、五七年六月二日の入植日からぴったり半世紀。再会を喜ぶ姿がみられた。ブラジルに到着したとき、第四次入植者は四十七家族二百八十三人であった。一ヵ月におよぶ船旅のうちに、若い独身者の間でロマンスが生まれ、上陸と同時に結婚が相次いで、分家や新規家族が次々と誕生した。
 米作移民として、コメ、バナナ、カカオ、ゴムを栽培したが、生産指導の拙さ、ベレンという小さな消費都市、川幅が八百メートル以上あるグァマ川で起こった相次ぐ水難事故、低湿地でのマラリア流行などにより、十年を待たずに、転出が増加し、日本で代金を支払った土地を捨てて、入植者たちは各地に分散していった。現在、植民地の大部分は元のジャングルに戻っている。
 しかし、入植者たちは、今回五十年ぶりに、舟でグァマ川を遡った。最初にブラジルの土を踏んだ地と当時の仲間が忘れられず、半世紀ぶりに集会を持った。当時二十歳だった人はもう七十歳、当時働き盛りだった人の多くは他界した。すでに二世、三世、四世の時代になっている。参会者たちは、それぞれ時間の流れの重さを噛み締めていた。

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