ホーム | 日系社会ニュース | カルモの桜と30年=西谷さん句集「さくらもり」

カルモの桜と30年=西谷さん句集「さくらもり」

2007年7月12日付け

 元鳥取県人会長、県連会長で、長年サンパウロ市のカルモ公園への桜植樹に携わってきた西谷博さん(87)がこのほど、米寿の記念に、自身がこれまで詠んだ桜に関する俳句をまとめた句集「さくらもり」を出版した。
 日本移民七十周年の記念事業として片岡義久さん、松原勝利さん、西谷さんら地元関係者を中心に始まった、同公園への桜植樹。いまではヒマラヤ桜一千本のほか、沖縄、雪割など合わせて約千五百本まで増えた。三年目から開催、「桜がなくて皆から冷やかされた」(西谷さん)という桜祭りも、今では毎年大勢の人でにぎわう。
 西谷さんは植樹委員会発足以来、二十五年間委員長を務め、四年前に後進に道を譲った。現在は同委員会名誉会長。「皆が立ててくれたおかげです」と話す。
 南風の俳号を持ち、句会「砂丘」を星野瞳氏と主宰。同句集は、桜の世話をしてきた日々、日本から苗を持ってきたが根付かなかったこと、植樹に関わった人たちの思い出など、この二十九年の折々に詠んだ八十八句に自身の文章を添えたものだ。
 「米寿の記念に、何か桜のことをまとめたかった」という西谷さん。「自分が好きなことで、評価されるようなものではないですけどね。自分史の一つですよ」。
 同句集は二百五十部を印刷。地元や日本の友人、句会の関係者へ送るという。

image_print