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コンクールは進歩に役立つ=日本語教育研究論文を募集=OB会、奨励金付きで=有為の二、三世発掘へ

2007年8月10日付け

 JICA日本語教師本邦研修OB会は、奨励金付き日本語教育研究論文の募集を始める。「これからの日本語教育を支える二世、三世の人を発掘していかなくてはいけない」(宮崎高子同会会長)。総額一千五百ドル、今後さらに寄贈があればそれ以上の奨励金を用意し、教授法、文法、待遇表現、口頭表現、音声など、日本語教育や日本語学に関する内容の論文を集める。来年三月のOB会総会で授賞する予定だ。宮崎さんは「ブラジルに日本語を残す有効な手段となるはずです」と懸賞論文の意義を語り、協力を訴えている。
 日本語教育研究に関する懸賞論文は、九四年、九五年、橘富士雄ブラジル日本語センター元理事長の時代に、同センターが主催して行っていた。理事長が個人の負担で、一位から三位までの総額三千ドルの賞金を与えて実施されたが、二回だけの開催に留まった。当時を知る人は「なかなか論文が集まりにくかった」と中断された理由を振り返る。
 懸賞論文再開の話は、〇六年三月、同センターの総会の際にも出たが、そのまま一年以上が過ぎていた。宮崎さんは「一世の役員がいる間に始めないと、二世が継いでいけなくなる」と自らが責任を買って出ることを決意し、OB会を主催団体とした懸賞論文の実施のための奨励金を工面して、論文募集にまでこぎつけた。
 「ブラジルの日本語教育に一番いい方法だと思うの。二世、三世が中心になるように考えています」。以前の論文の募集要項に変え、今回はポルトガル語での論文も受け付けることにした。審査員も、大学の教授や専門講師など四人中三人が二世だ。
 「文学や音楽、絵画などの芸術やスポーツの分野においても、賞を出すコンクールがその分野の進歩に役立っています。論文を書くことは、筆を執る教師自身だけでなく、ブラジルの日本語教育界に役立つはずです」と宮崎さん。
 中田みちよ日伯文化連盟上級講座講師は「(論文は)知的刺激になる」。一世の教師の高齢化が進んでいく中、「コツコツと実際に工夫を積んでいる教師の経験、知識を文字化することには意味がある」と話した。
 ただ、現場で授業を行うこと、研修会などで研究発表をすることと、論文を書くことは違う。OB会では九月に行う「じっくり勉強会」(同会主催)で、論文の書き方についての講座を開き、多くの教師に参加を促す考えだ。
 宮崎さんは「第一回目の本邦研修参加教師にも賛同をいただきました。貧者の一灯でもいい。理解していただける方がいれば」と、さらなる協力者を求めている。
 募集期日は十一月一日から来年一月九日。問い合わせは宮崎さん(11・3742・6909)まで。

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