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オザスコ=「顕真道場」50周年=弟子ら創立者をしのぶ

2007年9月4日付け

 オザスコで開設された柔道場「顕真道場」が今年創立五十周年を迎えた。柔道を通して、市民の子弟教育、人材育成に役立ってきた功績を称えて、去る八月十三日、市立劇場で、同市からメダル・アントニオ・ラポーゾ・タバレスが同道場に贈られた。生徒や関係者ら約百五十人が集い、節目の時を賑やかに祝った。
 同道場の創立者は、芝山助次氏。二十四歳で来伯し、柔道のない生活に空虚感を感じながら十三年間農業に従事していたが、三十七歳の時に一念発起。五七年、地面の穴を埋めて畳とし、日系社会の助けを得て青空の下で道場を始めた。
 その後、顕真道場は多くの名選手を輩出し、芝山氏は、九九年、その人生の幕を閉じるまで、道場の発展に尽くし続けた。
 「(芝山)先生は、柔道は子どもがよく育つ機会を与えるとよく話した。八十五歳で歩くことができなくなっても、畳の上にいることが好きだった」と、道場の会長を務める高ネルソンさん。
 記念式典には、加藤恵久県連副会長、菊地義治援協副会長らが列席。芝山氏の信念や格言の紹介、五十年の歴史をたどる写真ビデオの上映され、柔道型の披露が行われた。席上、大瀧多喜夫ACENBO体育担当に、銀板が贈られた。
 三十年間道場に通っているというジャイロ・フクシマさん(三段)は、「すべて(芝山)先生が教えてくれた」と懐かしそうに話し、仲間らと五十周年の節目を喜んでいた。

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