ホーム | 日系社会ニュース | 都道府県賞に赤木さん=「伊藤園新俳句大賞」で

都道府県賞に赤木さん=「伊藤園新俳句大賞」で

2007年9月5日付け

 

 第十八回伊藤園お~いお茶新俳句大賞の入選者がこのほど発表された。ブラジルからは都道府県賞に赤木まさ子さんが入選したほか、大津敏子さん(10、グァタパラ市)が小学生の部で佳作に入選、九十三歳の玉井くにさんが受賞者の中で最高齢だった。八月三十日に広田ユキさん、串間いつえさん、小林ヴィクトルさんが伝えた。
 今回はブラジルから二百六人が(千百七十三句を)応募、その内二十人が入選した。世界各国から集まった俳句は、過去最多の百六十九万九千四百八十九句だった。
 初めてブラジルから同新俳句大賞の小学校の部に二人が応募、「ありさんは雨のつづく日なにをする」で大津さんが入賞した。広田さんら「ブラジルで俳句をやる人が高齢化するなか、こうして若い人が活躍してくれると大きな励みになる」と喜んでいた。
 以下入賞作品――
【都道府県賞】
天と地を浮き彫りにして稲光      赤木まさ子
【佳作特別賞】
月の裏通ったような渡り鳥       里  晋平
故里の便り開ければ紅葉散る      脇山千寿子
牧千里走りていまだ麦の秋
       西  朋子
訪日を諦らめ不貞寝の春寒か      三浦 観次
朝顔を咲かせ日本にいる心地      新井 知里
望郷の念のせ流る銀河かな
       新井  均
南十字仰ぐ国に生き茶を点てる     斎藤早百合
対岸の古き住居や冬花火
       黒田 貞徳
忘れごと罪負はされて茗荷の子     箕輪美保子
風薫る椰子林中のレストラン      玉井 くに
【佳作】
ありさんは雨のつづく日なにをする   大津 敏子
時鳥耳の中よりふるさとが
       浜田すみえ
ハンモック秋風にゆれ母の顔      佐藤千鶴子
孫三人泊まりてをりし万華鏡      牛尼 楊子
足踏んでインジオ踊る夏の月      坂上美代栄
郷里を恋うようなオームの眼鳥渡る   山下差智子
青空や心は丸ろし柿丸し
       島田喜久枝
万緑や素直に年を重ねんと
       山口 ふみ
初鍬や番いの蝶の舞う姿
       渡部 リツ
群れ蝶の思いで多き移民村
       立川 ゆう
開拓の村に夢あり風薫る
       高岡  輝

image_print