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「日本がおかしくなる」=テレビの問題を本音で講演=TBS「ブロードキャスター」福留功男氏

2007年9月5日付け

 元日本テレビアナウンサー(現在フリー)の福留功男氏(65)が八月二十二日午後二時からブラジル日本文化福祉協会の小講堂で「トメさんが本音でしゃべる『崩壊する日本のテレビ』」と題して講演会を行い、約八十人が熱心に耳をかたむけた。
 同氏は日本テレビの「アメリカ横断ウルトラクイズ」や「ズームイン朝!」などの有名番組の司会をした他、現在もTBS「ブロードキャスター」のメーンキャスターを務めている。
 四度目の来伯となる今回は、国際協力機構(JICA)の「福留功男キャスターのブラジル派遣およびTBSテレビ番組制作取材協力」により八月二十日に来伯し、アマゾンの森林破壊やエタノールなど環境問題に関する撮影取材を行い、三日に帰国した。
 講演の冒頭では、「これからはテレビの時代と考えて日本テレビ入社」した経緯や、その後の仕事内容など自分の経歴などを細かく紹介した。さらに「現在は日本全国に約四千五百万台あるテレビは、減少傾向に向かって行く」と予測し、その理由として携帯電話の中にテレビが組み込まれているからだと説明した。
 団塊の世代に生まれの福留氏。「自分たちは簡単には欲しいものを手に入れられなかったが、最近の子どもたちは自分の欲しい物をスーパーの陳列台から簡単に手に入れられている」とし、我慢をせずに容易に手に入れることができる、と違いを強調した。
 長年関わっているテレビ業界だが、実はメディアのあり方自体に不信感を感じつつあるという。「日本は段々おかしくなってきている。大きな影響を与えたのはテレビではないか」との不信感を表し、一アナウンサーの立場から感じる業界に対する問題意識を本音で語った。
 最後に、「打ち合わせはしない。そうしないとゲストからは新鮮な情報を聞けない。少しでも事実に基づいたことを報道したい」とのアナウンサーとしてのこだわりを語った。

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