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織姫ひこ星のように61人=全伯短歌大会、健在喜び合う

ニッケイ新聞 2007年9月12日付け

 第五十七回全伯短歌大会(椰子樹、ニッケイ新聞社共催)が、九日、文協ビル内のエスペランサ婦人会サロンで行われた。遠くはベレンやマナウスからも投稿作品が寄せられ、約二百歌から大会の代表選、互選で秀歌が選ばれ、表彰された。当日の参加者は六十一人。午前中に題詠「旅立ち」と独楽吟競詠、午後からアベック歌合わせが行われ、作品の批評や鑑賞、添削教室など盛りだくさんの内容に、終日なごやかな雰囲気で賑わった。
 冒頭、司会の多田邦治さんが「一年ぶりに会う方もおられます。七夕の織姫とひこ星のようです」と話して会場に笑いを起こすと、安良田済椰子樹代表が「歌を作ることは不老長寿の良薬である」と開会挨拶をして大会が始まった。
 今年の初出席者は四人。八十五歳以上が三分の一を占め、九十歳以上も三人。クリチーバから参加した坂本円二さん(73)は「クリチーバでは世話係ですけど、ここでは落ち着いて座っていられる」と、歌作りに励む。
 一度も欠かすことなく、五十九年毎年続けられ、海外では最も歴史が長い同大会。多田さんは「一回目は五十九人でした。六〇年代には百二、三十人だったんですけども、作り手も年を取りました」と振り返った。席上、四十回を数える岩波菊治短歌賞(椰子樹主催)を来年で打ち切ることが伝えられた。
 参加者は辞書を片手に各々の想いを歌に込め、出来上がった作品を互選しては「よく出来ている」と口々に話していた。
 大会の表彰作品は次の通り。一位のみ。
【代表選高点歌】
病む妻の看護に疲れしばし座す庭のベンチに冬陽が匂う      米沢幹夫
【互選高点歌】
よろこびは地(つち)の底よりまろび出づ馬鈴薯は黒き土をまといて 高橋暎子
【題詠「旅立ち」】
停年となりたる今を新たなる旅立ちとして一歩踏み出す        渡辺光
【独楽吟競歌】
酒止めし喜寿の夫に言うことなし共に短歌詠みありがたきかな    青柳ます
【アベック歌合わせ】
出稼ぎの友を気遣う大地震無事の電話に心安らぐ
    野村康  渡辺光

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