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国レベルで交流年開始祝う=ブラジリア百周年=ルーラ大統領も出席=日伯関係者約300人が参集

ニッケイ新聞 2008年1月18日付け

 【ブラジリア発】ルーラ大統領立ち会いのもと、日伯交流年の開幕セレモニーが十七日午前十時から首都ブラジリアのパラシオ・イタマラチー(外務省)で行われた。日本政府を代表して木村仁外務副大臣、サンパウロ市からも日系団体代表ら百二十人が特別に用意された空軍機で出席、各州からも日系団体関係者が駆けつけ、記念すべき節目の年の始まりを盛大に祝った。
 カルロス・マリアーニ・ビテンクール日伯戦略的経済パートナーシップ賢人会議ブラジル側座長が開幕を宣言、壇上には、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領、セルソ・アモリン外務大臣、上原幸啓・ブラジル日本移民百周年協会理事長、木村仁日本国外務副大臣、槍田松瑩・日伯交流年実行委員会日本側委員長、アルリンド・キナリア下院議長が座った。
 槍田委員長は、ブラジル日系社会を「日本企業駐在員の心の支えだった」と位置づけ、「経済に理想的な補完関係」と両国のパートナー関係を強調した。
 上原理事長は、日本移民を受け入れたブラジル官民に謝意を述べ、百周年を「統合の果実を摘む時期」と表現、「ブラジルは文化の多様性を以って世界に寄与すべき」と話した。
 続けて、九歳で移住した自らの経験を話し、「貧しくとも人間としての威厳を失わなかった」日本人先駆者を讃えるとともに、受け入れたブラジルに対して感謝の言葉を送り、ルーラ大統領と強い抱擁を交わした。
 木村外務副大臣は、皇太子殿下の交流年名誉総裁就任、日本側での交流年事業の順調なスタートを報告、日本移民に対するブラジル官民の支援に感謝し、「勤勉さと誠実さを失わなかった日本移民らを日本人として誇りに思う」とあいさつ。
 三十一万人の在日ブラジル人の存在を両国の懸け橋と位置づけ、「交流年を幅広い交流のきっかけとし、新しい百年に向け関係を強化することが大きな目的」と話した。
 アモリン外相は、「両国の経済関係が新しい時代を迎えた」とし、日本式デジタルテレビ方式の導入やエタノールなどの提携に触れ、「環境、技術支援など多面的に国際的な歩調を合わせている」と両国間の絆を強調。
 そのうえで、「ブラジルが日本人を受け入れたように日本も我が同胞を受け入れてほしい」と教育面など法的整備の面で問題がある日本政府の対応に注文をつけた。
 最後に、妻が日系人で、人気マンガ「Turma da Monica」の作者マウリシオ・デ・ソウザさんは、ハッピにスニーカーを履いた交流年のマスコットキャラクターを紹介、日本の文化習慣を持ったキャラクターとして、「モニカ」の仲間に入れると話し、名称については近日中に発表するとした。
 式典に出席した多羅間俊彦文協副会長は、冷え込んだ二十年の二国間の経済関係をふりかえり、「ようやく息を吹き返してきた。これからの日伯関係は今までとは別の形になるのでは」と次の百年への期待感を寄せた。

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