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リーガ・アリアンサ=新会長に丹フランシスコ多喜男氏=パラナ=式典費用の3百万レにメド=州内コロニアの浄財集まる=スローガンは〝団結と協調で前進〟

ニッケイ新聞 2008年1月29日付け

 パラナ日伯文化連合会(通称リーガ・アリアンサ)は二十七日、同州ロンドリーナ市の本部会館で定期総会を開き、任期満了にともなう役員改選で、同連合会の新会長にパラナ野球ソフト・ボール連盟会長の丹フランシスコ多喜男氏(60、二世)を単一シャッパにより満場一致で決めた。また、六月にローランジャ市でおこなうパラナ州の百周年式典の費用として、目標額の三百万レアルがコロニアの寄付で集められる見通しと報告した。「団結と協調で前進!」とスローガンを掲げた同連合会。約半年後に迫った式典や各事業の成功に向けても、足並みをそろえている。
 午前九時からはじまった総会には、傘下の約七十団体から代表者や関係者など、約二百人が出席。佐藤宗一在クリチーバ総領事も出席しポ語で祝辞を述べた。
 丹会長はロンドリーナ市出身で、整形歯科医・児童歯科が専門。ウニンガ大学教授で、ロンドリーナ校で教鞭を執っている。丹氏の就任にあたり、前会長の西森ルイス氏(パラナ州議)は評議員会委員長に、上野アントニオ氏は顧問に就任した。
 同連合会が主体となって組織するパラナ州百周年祭実行委員会(IMIN100、嶋田巧実行委員長)は六月二十二日、ローランジャ市で式典をおこなう。予算は約三百万レアル。その費用をパラナ日系社会からの浄財で工面しようと集金活動を展開する沼田信一さん(89、募金総務委員長)は、「びっくりするくらいの大金が集まっている」と挨拶した。
 沼田さんによれば、すでに寄付の振込みを待つ段階にある。傘下団体の会員や日系家族の人数から寄付の最低額を各団体に提示しており、例えばクリチバ市には六十万、マリンガ市には三十七万五千、アサイ市には十万レアルなどと協力を依頼済み。加えて五十万レアルほどを日系企業の寄付にたのむ計画だ。
 間島正典さん、平澤正人さんといっしょに州内約七十の日系団体すべてをまわった沼田さん。三人の総計年齢は約二百八十歳。移動距離は九千キロを越えている。「できるだけ安く費用をおさえつつも、立派な式典をおこないたい」の呼びかけの言葉に、会場は大きな拍手をもって応えた。
 このほか西森式典委員長は冒頭のあいさつで、同実行委員会の目玉事業であるローランジャ市の移民史料館周辺を舞台に企画する〃夢〃文化公園プロジェクトに対し、連邦政府から一千万レアルの支援が決まっていると報告。加えて州内の各記念事業の援助費として、さらに一千万レアルを今年度の予算に計上できるよう働きかけているとした。
 西森氏は「移民百周年は今世紀最大のイベント。パラナ日系社会は一致団結し、輝かしく有意義な式典をおこないましょう」と力説。上野氏も「これからは四世の時代。挨拶をする、先人を称えるなどの日本的な〃しつけ〃を後世にしっかりと伝えていかなくてはならない」と強調した。
 昼食前には、パラナ州出身で、同州高等裁判所判事(ロンドリーナ市FORUM長官)に昨年就任した前島リジア氏と、連邦高等労働裁判所判事に任命された小野英三フェルナンド氏の顕彰式がそれぞれ行われた。

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