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神奈川文化援護協会=家族のような新年会=JICA=専門家も餅の杵下ろす

ニッケイ新聞 2008年1月31日付け

 神奈川文化援護協会(県人会、村田洋会長)の新年会が、二十日午前十時半頃から、同協会会館で行われた。朝から降り続いた雨にも関わらず、約五十人が足を運んだ。
 まず、高村真由美さんら看護師関係者による血液検査や糖尿病検査が行われ、多くの人が検査を受け、自分の体の状態を把握した。
 村田会長は開会の挨拶で「会館が開館してちょうど一年が過ぎ、コロニアも百周年を迎えた。新年を賑やかに祝いましょう」と参加者を盛り上げた。
 記念講演があり、神奈川県出身で、現在JICA(国際協力機構)が行っている「ブラジル地域警察プロジェクト」で、長期専門家として在伯中の石井孝警視が、日本とサンパウロ州の警察事情や、一年半滞在して感じた日伯文化の違いなどについて講演を行った。
 日本とサンパウロ州の面積の違い、起りやすい事件の種類や警察官の違いなどを、数字を用いて説明を行っていった。また、サンパウロ州では銃器犯罪が頻繁に起っていることも語った。
 最後に、自分が生活してきたなかで感じた違いについてなどの話をした。その一例に、銀行などでの自動支払機の操作の違いに戸惑い、何回も同じことを繰り返した失敗を紹介、笑いを誘った。講演終了後に村田会長から感謝状が贈られた。
 中庭に場所を移して、新年会の定番、餅搗きを行った。参加者が代わる代わる杵を持ち、餅を搗き、村田会長自ら手返しを行い、二臼の餅を仕上げた。
 搗きたての餅は黄粉や餡子などをまぶして昼食のメーザに並べられた。また、出席者たちは腕によりをかけた料理を一品ずつ持ち寄り、メーザを賑やかにした。
 塩田健康センターの塩田憲一さん(60、神奈川出身)は「同じ県の人が集まって楽しく過ごすのは本当に良いことだな」と会場を見ながら満面の笑みで話した。

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