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カヌートさん自伝出版会=日本に伯音楽伝えた先駆者

ニッケイ新聞 2008年3月8日付け

 親日派音楽家ジョルジ・カヌートさんは、自伝『Na Terra do Sol Nascente』(Editora Estudio ORBI)の出版記念会を兼ねたショーを二月二十九日夜、サンパウロ市レプブリカ区の書店で行い、同僚や友人、ファンらが集まった。
 一九七九年、カヌートさんと一緒に六カ月間の訪日演奏をした音楽家レジス・クレメンチさん(63)も来場し、「死ぬ前にもう一回日本へ行ってみたい」と熱く語った。「八カ国に演奏にいったが、日本以外ではメキシコが一番だったな」。音楽プロデューサーとしてガゼッタTV局幹部も務めた。
 十五日から大阪に六カ月間、演奏しに訪日するというセバスチャン・ネルソン・デ・オリベイラさん(55)も、初回が七九年で、今回が四回目の訪日演奏だという。「今は日本へ行く仕事が減って淋しいよ。昔はもっと頻繁にあったんだがな」。
 カヌートさんは「我々が日本にブラジル音楽を紹介したピオネイロ(先駆者)だ。その後、すごい人数が日本に演奏にいっているはずだ」と胸を張り、当時の写真が何枚も掲載された本を、かつての同僚たちと共にのぞき込んで、懐かしそうに談笑していた。

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