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残り約113万レを全額助成=修好基金から百周年関連に=文協ビル改築など7事業に=「他の寄付の誘い水に」

ニッケイ新聞 2008年4月12日付け

 日伯修好百周年記念基金を管理する日伯友好交流促進協会(代表者委員長=田中信)は十一日午後、サンパウロ市内ホテルで開かれたブラジル日本商工会議所の定例昼食会で、今年二度目の助成通知書授与式を開いた。助成を受けたのは、文協ビル改築やサンタクルス病院の増築計画など、新たに七事業。助成金額は百十二万七千レアルにのぼる。すでに二月には八プロジェクトに対して約五十八万レアルが助成されており、今回の助成で基金の残額全てが百周年関連事業に運用されることになった。田中委員長は「それぞれの事業内容に対しては僅かな金額だが他の寄付の誘い水になれば幸い」と話している。
 授与式には、松尾治百周年協会執行委員長、上原幸啓文協会長、横田パウロ・サンタクルス病院理事長、辰巳穣・日伯文化連盟(アリアンサ)会長、森口イナシオ援協会長らが出席、それぞれが助成通知書を受け取り、感謝の言葉を述べた。
 百周年記念協会のその他の最優先プロジェクトとして、二十五万レアルの通知書を代表して受け取った松尾執行委員長は、ニッケイ新聞の取材に対し、「有り難い。今後各企業の皆様に引き続き財政援助をお願いにあがりたい」と語った。
 また、今回の助成で最高額となる約四十七万レアルの助成を受けた横田理事長は、「病院の大切さがわかって頂いたようで、大変嬉しく思っています」と大喜びしていた。
 同基金は、一九九五年に行われた日伯修好百周年の余剰金を、文協、援協、県連、日文連、商議所の代表者で構成する運営委員会が管理・運用してきたもの。九七年から〇三年までに、二三件のプロジェクトに対して、銀行利子から八十五万レアルを助成している。
 それ以降は百周年の関連事業のために運用するとして、助成を一端中止。利子が蓄積された結果、今年二月には約百七十三万レアルまでに基金を増やし、運用先の選定を進めていた。
 昨年十一月から助成要請があったプロジェクトに対して審査がはじめられ、今年二月に八プロジェクトに五十七万九千レアルの助成を実施した。今回の七プロジェクトに対する助成は、三月二十五日の代表会議によって決められた。
 あいさつした同促進協会の山田唯資監査役は、「助成金をうけとった各団体の皆さまには、半年ごとにプロジェクトの進行状況を報告して頂きたい」と要望。代表者委員長の田中さんは「今回の助成は修好記念基金創設の先覚者たちの意思に沿うもの」と語った。
 【今回助成を受けた七プロジェクトと助成金額】(1)文協ビルの改修費=二十万レアル。(2)サンタクルス病院の増築、社会福祉基金設立費など=四十六万六千レアル。(3)新アルモニア日伯学園構想・日伯教育機構実現を目的とする事業=二十一万一千レアル。(4)アリアンサの日本語教育支援費=十万レアル。(5)百周年日本文化週間=六万レアル。(6)地域リーダー交流事業=五万レアル。(7)今年九月に予定する聖路加国際病院名誉院長の日野原重明氏の来伯諸経費=四万レアル。

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