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カトリック埼玉教区=「ブラジル人信者は日本人の2倍」=デカセギで変化する教会

ニッケイ新聞 2008年8月20日付け

 アパレシーダ大巡礼に招待された谷大二司教のいる埼玉教区(埼玉、栃木、群馬、茨城)は、日本の中でも特別な地区だ。同行してきた終身助祭の矢吹貞人、斎藤優両氏によれば、「日本人の信徒は約二万人ですが、ブラジル人は四万人もいます」という。
 その対応のためにブラジルから栃木県の国際交流センターに赴任している白浜光恵さん(61、長崎生まれ)は、「同じカトリックといえども、ブラジルと日本ではルールや習慣が違う。一緒にやっていくのは簡単ではない」という。十二歳で渡伯し、四十年を過ごした後、日本へ。在住は九年になる。
 最もブラジル人信者が多いのは愛知県の名古屋教区、二番目が静岡県を含める横浜教区、三番目が埼玉教区だという。
 矢吹さんは「教会にはブラジル人が溢れています。一度、彼らの国を見てみたかった」と参加動機を説明する。「彼らの存在は、日本のカトリック教会に大きな変化をもたらしている。違う文化を持ち込んでくれ、教会を豊かにしてくれている」と喜んだ。
 谷司教は日本カトリック難民移住移動者委員会の委員長も務める。来伯四回目で、日本国内でもポ語でミサを執り行うという。多文化な人たちを受け入れたい、すべての人のための教会になるという心構えを記した『移住者と共に生きる教会』(谷大二著、聖パウロ女子修道会)を四月に刊行したばかり。
 ニッケイ新聞の取材に、谷司教は「日本のカトリック界にとっても、デカセギ子弟の教育問題などは重要な課題になっている」との認識も示した。

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