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寄席ブラジル公演 超満員=文協=3百人を笑いの渦に包む

ニッケイ新聞 2008年8月26日付け

 「寄席ブラジル公演」のために日本から来伯している三笑亭茶楽さん(落語)、林家今丸さん(紙切り)、やなぎ南玉さん(曲独楽)の三人は、二十四日午後二時から文協ビルの小講堂で同公演を開催した。
 開始時刻になると会場内には、超満員の約三百人が訪れた。通路にも立ち見の客が溢れ、公演は大成功を収めた。
 同公演はマリンガ、カンピーナス両文協、カンピーナス大学、ブラジル日本文化福祉協会の共催。国際交流基金舞台芸術課助成事業。
 開演と同時に司会者が寄席について説明。三人を代表して三笑亭茶楽さんが「寄席の雰囲気を楽しんでもらいたい。今日は大いに笑ってください」と舞台あいさつを行った。
 最初に登場したやなぎ南玉さんは、駒を回しながら駒同士を重ねたりして、様々な芸を披露し、会場からは大きな拍手が沸き起こった。
 今回の公演のために持参した約二十五センチの大皿を取り出して、皿回しをしながら飾りなどを乗せ、鮮やかに披露した。最後には、駒の綱渡りを見せ、さらに大きな拍手を浴びた。
 続いて、登場した林家今丸さんは舞妓さんとウサギが餅を搗いている様子を披露し、来場者にプレゼントした。
 続いて、来場者からのリクエストに答えて、河童とお御輿、龍を作成し、その似た形に対して大きな歓声があがった。最後に来場者二人の似顔絵を作成し、興奮冷め遣らぬ様子で終了した。
 最後に姿を見せた三笑亭茶楽さんに対して「よ、待ってました」と会場から声がかかった。一通り簡単に落語について説明すると、主人のお嫁さんと関係を持ってしまった本屋の主人との話を紹介し、落語中は常に笑い声があがり、約一時間の公演は、会場が笑いの渦に包まれながら幕を閉じた。
 公演終了後、小森廣文協理事はあいさつに立ち「今回の公演によってみなさま、幸福になれることができたのではないでしょうか」と満面の笑みであいさつ。
 最後には来場者と一緒になって三本締めを行い、ブラジル公演の千秋楽を締めくくった。
 自分の姿を、見事なはさみ捌きで作成してもらった真藤武慶さん(70、東京)は「夢中で前に出て行ってしまったよ」との言葉通り、一番後ろから前に出てきた。「すごく上手くできていて、嬉しい」と照れ笑いを浮かべながら喜んでいた。

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