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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2008年10月25日付け

 十代、二十代の若い日系世代が演歌を熱唱――この光景に新来日本人は必ず驚く。氷川きよしは例外にして、日本の若者はウケや一時の流行で演歌を覚える程度だ。演歌を歌う若者率はコロニアのほうが圧倒的に高いだろう。
 演歌には日本人の心に響く何かがあり、特に島国を出るとそれがアイデンティティーをくすぐる。表情や声一つで歌手の人間味が出てしまう演歌。それは他民族にはない日本人しか出せない味わいかもしれない。
 そんな演歌の魅力に惚れて、十二歳から大会に出場しプロを目指してきた谷本知美さん。挫折を乗り越え、いま演歌界で高い歌唱力、元気な浪速っ子のキャラクターが評価されていると聞く。ブラジルの演歌を愛する人々に喜んでもらいたい―と想いが込められている明日のサンパウロ市公演。日本人、日系人の魂を揺さぶるような演歌を聞かせて欲しい。 (親)

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