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国境越えた植樹活動=日本のNGO団体が来伯=伯でも1レアル植林を

ニッケイ新聞 2008年11月13日付け

 ブラジルでの植林活動やその可能性などを調査するため、NGO団体「MAKE THE HEAVEN」(代表・てんつくマン、本名=軌保博光)のメンバーや関係者が十一日来伯、同日午後に本社を訪れ、活動内容や目的を報告した。
 一行は十九日まで滞伯し、ベレン市やマナウス市内の自然環境などを調査する。十八日には、サンパウロ市チエテの環境公園で、ブラジル・ニッポン移住者協会とオイスカ・ブラジルが共同で進めている「二十一世紀の森づくり」の植樹キャンペーンにも参加する予定。
 てんつくマンさんによれば、同団体は〇四年二月に結成。おもにカンボジアの子ども達の支援活動を中心にしていたが、〇四年に起きたインドネシア・スマトラ沖地震をきっかけに、環境保護に向けた活動も本格的に始めるようになった。
 「世界中で雨が降らなくなっている」とてんつくマンさん。「このまま行くと水の奪い合いの戦争が起こることが予想されている」として、同会では雨を少しでも降らそうと、〇五年四月から植林活動を展開している。
 これまで、この主旨に賛同した四百五十人の日本人が中国内モンゴル自治区シリンホトを訪れ、現地住民と協力して同地原産の苗木二十八万九千本を植樹した。来年九月ごろには、南アフリカでの植樹を予定。ブラジルでの植樹は、今回の視察結果を踏まえて詳細を決めるという。
 同会では現在、「ワンダフル・ワールド・植林フェスティバル」と題したプロジェクトを実施中。国境を越えて多くの人種が植樹するという国際的な活動を目指すとともに、苗代をその国の小さなお金で集めている。日本ならば一円玉。〇九年の目標として日本の人口分、約一億二千七百万円を目標に、各方面からの協力を得ている。
 こうした活動を通して、「一人ひとりの力は微力かもしれないが、それが集まれば決して無力ではないことを子ども達に実感して欲しい」と、てんつくマンさんは語る。ブラジル・ニッポン移住者協会の小山昭朗会長も「我々も一レアルを集めて植林活動を行うことを考えてみたい。ぜひ一緒に協力し、活動を盛り上げていきたい」と笑顔で話した。

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