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歌でデカセギの幸せ願う=天皇陛下が昨年詠まれる=群馬県ご訪問振り返られ

ニッケイ新聞 2009年1月6日付け

 二〇〇九年の新年にあたり、一日、宮内庁は天皇皇后両陛下が昨年詠まれたお歌のうち、天皇陛下五首、皇后さま三首の計八首を発表した。
 天皇陛下のお歌は、二〇〇四年の新潟県中越地震で大きな被害を受けた旧山古志村(現長岡市)を昨年九月に訪問された時のお気持ちや、五月の岩手・宮城内陸地震、十月の奈良・正倉院ご訪問の際の心情などを詠まれたものなどのほか、日伯交流年・移民百周年にあたり、四月に多くの在日ブラジル人が暮らす群馬県を訪問された際のものもある。
 天皇皇后両陛下は四月七日に群馬県を訪問され、住民の約一五%をブラジル人が占める大泉町で在住外国人と懇談されたほか、太田市で外国人児童の通う小学校などを見学された。
 このたび発表されたお歌
  父祖の国に働くブラジルの人々の幸(さち)を願ひて群馬県訪ふ
は、宮内庁のホームページでは、「かつてブラジルに渡った日本からの移住者が、ブラジル人によってその土地に受け入れられたように、いま日本で働く日系ブラジルの人々が幸せに暮らせるようにというお気持ちを込めて詠まれたもの」と説明されている。
 そのほかのお歌は次の通り。
〈皇居東御苑〉
  江戸の人味ひしならむ果物の苗木植ゑけり江戸城跡に
〈岩手・宮城内陸地震〉
  災害に行方不明者の増しゆくを心痛みつつ北秋田に聞く
〈中越地震被災地を訪れて〉
  なゐにより避難せし牛もどり来て角突きの技見るはうれしき
〈正倉院事務所修補室〉
  宝物(ほうもつ)の元の姿を求めむとちりを調ぶるいたづき思ふ
〈第59回全国植樹祭(秋田県)〉
  さはやかに風渡り来る北秋田に人らとともに木々の苗植う
〈第28回全国豊かな海づくり大会(新潟県)〉
  稚魚放つ河口のあなた大漁旗かかげし船の我らを迎ふ
〈第63回国民体育大会(大分県)〉
  過ぎし日の国体の選手入り来たり火は受け継がる若人の手に
     ◇
 皇后さまが詠まれたお歌は次の通り。
〈北京オリンピック〉
  たはやすく勝利の言葉いでずして「なんもいへぬ」と言ふを肯(うべな)ふ
〈旧山古志村を訪ねて〉
  かの禍(まが)ゆ四年(よとせ)を経たる山古志に牛らは直(なほ)く角(つの)を合はせる
〈正倉院〉
  封じられまた開かれてみ宝の代代(よよ)守られて来(こ)しが嬉しき

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