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ブラジル世界救世教=聖地を一般に開放=風光明媚なグアラピランガ湖畔=32万平方メートル、ピクニックにも=第2期工事は今年着工へ

ニッケイ新聞 2009年1月9日付け

 ブラジル世界救世教(林秀有本部長)では、サンパウロ市にある三十二万平米の広大なグアラピランガ聖地を一般に無料開放している。「現代社会はストレスがたまって大変。ピクニックなどに使って市民がリラックスできる憩いの場として使ってください」。同教団の渉外委員会の大野正人さん(まさひと、61、香川県)は、そう呼びかける。
 セントロから車で一時間程度、サンパウロ市の水瓶グアラピランガ湖畔の高台に立つ、風光明媚な場所だ。中央部に高さ七十一メートルの塔がそそり立つ神殿が、神秘的な雰囲気を醸し出す。宗教的な施設と思いきや、方々に季節の花々が植えられ、錦鯉の泳ぐ池や水のカーテンもあり、まるで手入れの行き届いた公園のようだ。
 美術ギャラリーや研修施設、陶芸教室などもあり、カトリック団体、修道会、禅宗などの瞑想や研修でも使われ、近隣のブラジル公立校などからも毎日のように来園者が絶えない。日本語学校や県人会、老人クラブのピクニックや研修でも活用できそうだ。
 信者からの献金により、土地を購入して建設され、一九九五年に開所した。神殿の設計はUSP建築学部教授のシルビオ・サバイアさんが、公園全体は日本の造園家・河西力さん(かさい・つとむ)が担当、いわば日伯合作だ。全体構想は世界救世教いずのめ教団の渡辺哲男理事長。
 塔を背に湖を望むと、ゆったりと弧を描く稜線が目に入る。大野さんは「これは琳派(りんぱ)です」と借景の意味を説明する。静岡県の熱海の本部にあるMOA美術館には国宝『紅白梅図屏風』(尾形光琳)も所蔵されているが、その光琳がこよなく愛した曲線をイメージしたものだ。
 建設当時に総務部長として陣頭指揮をした大野さんは、「けっして日本庭園を造ろうとした訳ではありません。かといって西洋庭園でもない。それらの良いところにブラジル独自色を織り込んだ庭園が、渡辺の発想です」と振り返る。
 十二月二十二日、ブラジルの夏至の日には神殿のほぼ真上に太陽が位置するという。「真上にきた太陽のひかりが塔を伝って、直系六十メートルの回廊部から世界に向けて四方に広がる。そんなイメージです」と解説をする。
 大野さんは「聖地は自然との調和を体感して、人間性が回復されるところ」と位置づけ、「宗教ができる社会への貢献」として入場無料を貫く方針だという。治安対策のために入り口で身分証明書の提示が必要だが、予約なしで入場可能。
 予約があれば、身体障害者がいる場合は同教の青年部が手伝い、日本語を含めて八カ国語での通訳ガイドをつけることが可能。
 現在は第一期工事が終わった状態だが、市役所の許可が下り次第、新年早々にも第二次工事(二百十八万平米)を始める予定。
 現在はバス六百台を収容する駐車場が千台になり、ホテルなどの本格的宿泊施設、百メートルの登り窯を備えた陶芸教室や生け花教室などの文化施設、農業研究所、コンベンションホールなどの建築が検討されている。

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