ホーム | 日系社会ニュース | 文協=今年は評議員・理事会選挙=新会長誕生は4月末=評議員は50人が再任=会費未納者は投票権なし=事務局「早めの完納を」

文協=今年は評議員・理事会選挙=新会長誕生は4月末=評議員は50人が再任=会費未納者は投票権なし=事務局「早めの完納を」

ニッケイ新聞 2009年1月9日付け

 コロニアの耳目を集める文協最大の〃イベント〃である役員選挙が今年行われる。三期六年務めた上原幸啓会長が今期での引退を宣言していることから、すでに水面下では次期会長候補擁立の動きが広がり始めているようだ。四月末に予定されている理事会選挙までの流れを追った。
 理事会選挙の投票権を持つのは、二〇〇六年の選挙により発足した評議員会(渡部和夫会長)の百六人(四年任期五十人、二年任期五十人、永年評議員六人)。
 三月二十八日に予定されている定期総会における会員直接選挙で、二年任期の五十評議員が改選される。
 この評議員選挙の投票権があるのは、現在登録されている二千五百人弱の文協会員。総会十五日前までに、〇八年度の会費を完納していることが条件となるから注意が必要だ。
 その後、四月末日(最終土曜日の二十五日を予定)までに評議員会が開かれ、理事会を選任することになる。
 立候補するには、会長、七副会長、専任・会計理事の十人の候補者連記名簿(シャッパ)を選挙十日前までに提出する必要がある。被選挙者は入会一年を過ぎていることが条件。
 つまり、理事会への立候補予定者がどれだけ支援者を評議員会に送り込むかがポイントとなる。
 四年任期の評議員には、現執行部側のメンバーが多くおり、新たな候補者が選挙で戦うのは非常に厳しい状況といえるのが現状だ。

三つ巴の前回選挙=あの候補者たちは…

 上原現会長、評議員選挙で最多得票を得た高木ラウル氏、元文協副会長だった小川彰夫氏の三つ巴の戦いとなった前回〇六年の文協会長選挙。わずか一票の差で決戦投票へと持ち越さず、接戦となったことは記憶に新しい。
 評議員選挙への投票呼びかけや地方団体の取り込み、シャッパを公表する記者会見を開くなどの活動を見せた小川氏は今回の選挙に関して、「まあ、ちょっとやってみようかなと思っています」と事実上の出馬宣言をしている。
 前回の選挙で三十七票を取った高木氏は、「まあ…どうかなあ」と苦笑いし、言葉を濁す。だが選挙への影響力は強いと見られ、出馬はしないまでもその動きが注目されている。
 現執行部が誰を擁立してくるのか―。
 第一副会長の山下ジョルジ氏、第四会長で「希望の家」の会長、木多喜八郎氏、第三副会長で日本カントリークラブの会長を今期で辞任すると見られる栢野定雄氏、第五副会長の重田エルゾ氏らの名前が挙がっているようだ。
 会計専任理事でレアル銀行の日系社会担当でコロニア団体に影響力の強い清水オリジオ氏の動向も見逃せない。
 評議員会長である渡部氏の思惑が選挙の空気を支配すると見られるが、文協改革のまとめとして渡部会長の誕生を期待する声も依然ある。
 百周年を終え、コロニア新世紀の牽引役となる文協会長の役目は重いだけに期待が高まるところだ。

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