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二宮尊徳像の除幕式=来賓迎え神奈川会館で=サンパウロ市

ニッケイ新聞 2009年2月10日付け

 母県から贈られた二宮金次郎の石像除幕式がサンパウロ市内の神奈川文化援護協会会館で、県庁などからの来賓を迎えて八日午前十時から行われ、約九十人が出席した。
 まず、鴻谷正博知事室長が挨拶を述べ、今までの経緯を説明した。昨年百周年を記念して松沢知事が来伯した折り、同県人会から尊徳像がほしいとの要望があったのが発端となり、知事が石像寄贈について報徳博物館の草山昭館長に相談し、快く快諾されたという。
 昨年九月十一日に『二宮金次郎像、ブラジルに渡る』プロジェクト実行委員会が結成され、パンフレット配布、会社訪問、ホームページなどの募金活動が始まった。わずか三カ月で北海道から九州まで、百五十団体、三千二百個人から約八百八十万円の募金が集まったという。
 除幕式で大部一秋在聖総領事は、「戦前の日本移民は、ブラジル国民に勤勉、努力家、信頼できるという印象を定着させた。これは尊徳思想と一致している。その石像が海を渡って届いたことに感慨深いものを感じる」と感想をのべた。
 草山館長は「現在は物質的な面に目が向けられがち。もっと報徳思想を見直さなければならない」と道徳面の大切さを強調した。
 神奈川協会の村田洋会長は「報徳思想をブラジル社会へ少しずつでも浸透させていきます」と啓蒙していく意気込みを見せた。

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