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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2009年3月3日付け

 休日に部屋の電灯を取り替えた。大工が設計通りに配線をしていなかったために、どこでコードが繋がっているのか分からない。
 それで、壁のあちこちから探してみたけど、出てこない。結局壁の外から通すことになった。苦労はしたが、家の構造がどのようになっているのか分かる、とてもよい機会だった。
 日本では、何もかもお金を払ってやってもらうことが当たり前になりすぎていて、物の仕組みを考えずにことが済んでしまう。この「生活力の低下」が与える影響は思いのほか大きいように思う。
 ブラジルで小さい時から親の後ろ姿を見て育った人は、いろんな手仕事を自分ですることを苦とも思わないであろう。
 便利さと引きかえに日本が失ってしまったものが、ここではまだ親から子へと伝えられているように感じる。  (綾)

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