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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2009年5月9日付け

 日本で人気を博し映画化された漫画「デス・ノート」。ブラジルでもポ語版の漫画が出され、劇公演があるというので足を運んでみた。
 同じ場所での無料日本映画上映は閑散としていたのに、入口は長蛇の列。九割は二十歳前後、黒っぽい服に身を包んだ〃オタク〃のよう。
 劇は大盛況。「もしもし? 」「ヤッター」「○くん」などと仲間うちで通じる〃日本語〃が使われると、一体感を共有する嬉しさのようなものが会場に広がる。
 嬉しい反面、日本文化の一部としての漫画が、何か別のものに変化しつつある距離を感じた。劇は面白かったが、巣立っていった子を想う親鳥のような感覚。放っておいてもこの動きは拡大していくだろう。
 本物、偽物という話ではないが、〃正統〃を守るのは日系団体の役目だと強く思った。 (親)

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