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南米7カ国1万7千キロ=自動車旅の板垣さん講演

ニッケイ新聞 2009年6月25日付け

【既報関連】還暦の節目に自動車での南米夫婦旅行を計画、本紙二月十四日付けで紹介した板垣勝秀さん(61、北海道)が去る四月に四十二日間の旅を終えて帰聖した。訪れた国は七カ国、走行距離一万七千キロ。板垣さんは五月十四日、日本語センターで開かれたブラジル日本商工会議所異業種交流委員会月例会合に招かれ、夫人と二人で成し遂げた旅を振り返った。
 板垣さんは一九四八年北海道根室市に生まれ、八一年に明治製菓(株)の南米駐在員として渡伯した。十年後に依頼退職し、同年医療機器などを扱うPANAMEDICAL社を設立、現在も社長を務める。
 「根室で過ごした幼少時代、ロシアからサーチライトが照らされ、よく漁船が拿捕されていた。島(北海道)の外には何があるのか」と興味を持ちながら育ったという板垣さん。昨年、還暦を迎え「感性が衰えないうちに」「倦怠感の打破」のため、日頃から考えていた南米七カ国自動車旅行を実行しようと決めた。
 二月二十日に出発、四月二日に帰聖した四十二日間、一万七千キロの旅。移動は日本製の四輪駆動車(新車)を使用した。
 イグアスーからブラジルを出国し、パラグアイ、アルゼンチンを経て、チリからアンデス越えの途中でペルーに入国。その後エクアドル、再びペルー、ボリビアを回り、コルンバからブラジルに帰国した。
 チリでは、首都サンチアゴを過ぎると強い風が吹き付ける中、延々と続く砂漠を走る。瀬戸物の模様のように砂漠は毎日表情を変え、飽きる事はなかったという。
 運転していて困ったことは「眠気」。そのため、一日三回は安全のため昼寝をしたそうだ。
 また、特にアルゼンチンでは警察の取締りがしつこく、車検証の提示を求められたり、賄賂を求められたりしたこともあった。運転中六回もインディオを轢きそうになりヒヤリとしたことも。
 広大な大地をめぐった旅を振り返り、板垣さんは「厳しい自然の中でも逞しく生きている人はいる。ブラジルが改めて自然に恵まれていると感じた。視野が広がりました」と感想を語った。
 旅の様子は板垣さんのホームページ(www.robertoitagaki.blogspot.com)で見ることができる。

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