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トメアスー=赤道直下で運動会=日語学校が80周年記念で=子供、大人も和気藹々と

ニッケイ新聞 2009年7月23日付け

 【パラー州ベレン発】アマゾン日本人移民八十周年祭を記念してトメアスー日本語学校(松崎アリサ校長、長井ジルソン父兄会長)は第十四回運動会を五日、トメアスー十字路野球場で開催し、子供たちは家族と一日楽しく過ごした。
 招待状やプログラム作成、会場の事前の準備から、当日のアナウンス、景品係、接待役など全て同校の父兄会が中心になり、各団体の協力を得て行った。
 赤道直下の暑い直射日光を浴びる真夏日になった当日。会場には色とりどりの万国旗がはためき、手作りのプログラムが配られた。カキ氷、タカカ、串焼き、飲み物などの宣伝が掲げられ、アナウンスでも案内するなど会場の雰囲気を盛り上げていた。
 競技は、開会式後の午前九時から開催され、全種目六十一(午前の部三十一、午後の部三十)が、年齢別に分けて競われた。
 数年前までは、各地区にあった日語学校やアカラ植民地からも参加して合同で開催されていたが、児童数の減少で今年はトメアスー日語学校(生徒数五十三人)単独の開催となった。
 「健康な体に、健康な精神は育まれる」をテーマに児童、父兄、一般参加者がともに楽しんだ一日となった。
 借り物競走種目、四十歳以上の女性向けの種目では、足がもつれてゴール前で転倒する場面もあるなど盛り上がった。
 また、玉入れ競争八歳~十一歳の種目では、用意されたボールをもらって帰ろうとする児童もいて、アナウンサーが慌てて「ボールは景品に入っていません。競技用の備品だから持ち帰らないように」と放送して、その慌てぶりが会場を沸かせていた。
 また、四十歳以上男性向けのカニの横這い競争種目は、三個の空き缶を操作して五十メートルを歩く競争。体重を空き缶三個に委ねての歩行で、失敗した者が、上手く頑張っている競技者を引き落すなどの反則で観客を喜ばせていた。
 太陽光線はアマゾンながらの直射日光。児童は暑さをもろともせず、一日を楽しんだ。大人達は日頃めったに味わえないひと時を得て、話し込んでいた。再会の場である酒場では、声高らかに楽しそうに話しこんでいる大人たちの明るい笑顔が印象的だった。
 コロニアが日本人で溢れていた時代の面影はないが、日系人の団結、共同精神は今でも受け継がれている。(下小薗昭仁通信員)

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