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佐野シルビオさん著書再販=デカセギへの理解深めて

ニッケイ新聞 2009年8月18日付け

 作家で建築家の佐野シルビオさん(59、二世)がこの度、著書「SONHOS QUE DE CA SEGUI」第二版(ペンネームSilvio Sam、三十レアル、二百十五ページ、ポルトガル語)を自費出版した。
 一九九七年の第一版から十二年振りの出版になった。「経済危機でデカセギが大量に帰国している。多くの人にこの本を読んでもらいたい」と佐野さん。
 同書は、デカセギ家族の渡日前から日本での生活、帰伯してからの人生を描いている小説だが、佐野さん自身のデカセギ経験や当時、聞き取りした一千人の証言が元になっている。
 「何故日本に行くのか、また日本での苦労や問題は何かを生々しく書いている。日系人でデカセギに行ったことのない人、偏見を持っている人に読んでもらったら、考え方が変わると思う」。
 移民の歴史も織り交ぜた。「子供たちに何故、今のデカセギ現象があるのか、しっかり理解して欲しいから」と佐野さん。現在増えている帰伯者やその子弟らの理解にも繋がるのでは、と述べていた。
 十五日の第七回おきなわ祭りでも販売したほか、各地で出版講演会などを企画している。書店での取扱いは今のところ未定。購入希望者や問い合わせは、佐野和枝さん(電話=11・3209・5899)。

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