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雑誌『のうそん』40周年迎える=永田さん「読者と共に歩む」=コロニアを紙面に反映=4500読者の時期も

ニッケイ新聞 2009年10月24日付け

 雑誌『のうそん』(日伯文化農村振興会発行、責任者=永田久)が今年、40周年を迎えた。コロニアひろしといえど、文芸誌では『椰子樹』のような71周年を超えるコロニア最古の雑誌もあるが、一般商業誌として30周年を超えるものは経済誌『実業のブラジル』(50周年)、写真雑誌『FATOS・BJ』(37周年)などごくわずかだ。〃長寿の秘訣〃を永田久代表に聞いてみた。

 力行会創立者の永田稠(しげし)の息子として生まれ、宇都宮農林専門学校(卒業翌年から宇都宮大学農学部に)の農芸化学科で発酵を専攻した後、神学校に一年通った。父から戦後移住の可否を探る特命を与えられ、〃試験台〃として1952年11月に「農業視察」の名目で渡伯、すぐに「永住許可」に切り換えた。翌年に戦後初の移民が到着する、その前だ。
 「ですから、その時は永住する気もなかったんですな」。
 林茂夫さんが創立して青年指導に尽力した4Hクラブの講師として、各地の植民地を講演して渡り歩く中で、気持ちも永住に傾くようになる。その幅広い人脈を活かして、雑誌の創刊を思いつき、アリアンサからサンパウロ市近郊のグアルーリョス市に出てきたのを機に1969年6月に創刊する。
 最初は、各地から読者になってくれそうな人の名簿を募り、約5000人に1年間無料で送付した。「その後、10年かけて全戸訪問すると、うち4500人が購読契約をしてくれた」。
 映画フィルムをもって植民地で夜上映し、集まってきた読者から集金し、新規読者をつのった。「1年で230カ所まわったこともありましたよ。平均したら年200カ所ですかな」。永田さんと奥地担当のもう一人、あわせて二人で手分けして自動車を運転し、日学連や領事館などから借りたフィルムと映写機を積んで走り回った。10日間で7~8カ所の植民地をまわる旅を毎月やった。
 「20年ぐらい続けましたかな」。ビデオの一般家庭への普及で、映画上映に人が集まらなくなって辞めた。
 最初は無料で上映したが、途中から地元で入場料を取ってもらい、地元の日本語学校の運営資金にしてもらうようにした。「あのお金を私たちがもらっていたら、大した金額になっていたかもしれません」と笑う。
 年6回発行し、60レアル。最新の9月号は237号だ。「40年間で、2回分かけてる。ボクが日本に行っていたから」。
 途中、1970年ごろに3年間、日本語教育専門誌『道』を16号まで出した。やはり年6回、30頁ほどだった。日学連(日語学校連盟)が1972年に解散して日本語普及センターに一本化される、日本語教育の大きな転機に一石を投じた。
 最初の頃、小説の募集をすると20人ぐらいが応募した。「しかも今思えばかなり名のある人たちが書いてくれたんですよ」と振り返る。「それが今はせいぜい5~6人の応募で、しかも半分は自分史や随筆。小説は2~3編になりました」と時代の変遷を語る。
 今、全冊を読み直して、総括を書こうとしている。「最初の頃、けっこう良いこと書いてましたね」。掘り抜き井戸のついての詳しい報告や、エタノール計画が発表された70年代後半には発酵や自動車の知識を活かして、かなり専門的な内容の記事も出した。
 10年ほど前には1500部まで落ち込んだが、さまざまな経営努力がみのり、現在は1600部まで回復している。昨年は100周年特別企画のコロニア文芸賞の記念誌賞も授与された。
 最初は農村の読者が中心だったが、子供が都会の大学に進学してそのまま就職して呼び寄せる流れの中で、いつのまにか都市住民が中心になった。60~70年代には女性向けの料理の話題が好評を博したが、高齢化とともに「健康や年寄りの話題も増えました」。
 雑誌継続の秘訣を問うと「コロニアの動きを紙面に反映する。みなさんの関心は何か。雑誌作りにとってそれが最大の関心事です」と明確な答えをかえした。

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