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佛心寺創立50周年=禅の心伝えて半世紀=新会館「大鑑閣」が落慶=渕英徳宗務総長も来伯

ニッケイ新聞 2009年11月14日付け

 建立50周年を迎えた曹洞宗南米別院佛心寺(采川道昭総監)は13日午前から、同寺で大鑑閣落慶式を開催した。日本から渕英徳曹洞宗宗務総長ら60人、欧州、ハワイなどから40人の慶祝団を迎え、檀家や一般客も駆けつけ、盛大に催された。同日、開山像開眼供養、慶祝転読大般若祈祷も行われ、厳粛な雰囲気の中、粛々と落慶が祝われた。来賓には大部一秋総領事夫妻、ウィリアン・ウー下議、羽藤ジョージ市議、与儀昭雄県連会長、菊地義治援協副会長、池崎博文ACAL会長らの姿も見られた。

 午前10時、法堂において渕宗務総長による三ケイ三拝で幕を開けた。続いて大鑑閣前に移動した。日伯両国歌の演奏の後、宗務庁教化部長の宮下陽祐老師らによって額「大鑑閣」の除幕式が行われ、続いて渕総長や采川総監、玉田伯夫理事長、伊藤勉パウロ建設委員長らによりテープカットが行われた。
 続いて大鑑閣2階の開山堂にて「開山像開眼供養」が行われ、大鑑閣の完成を祝った。導師は千葉県新井寺住職の松井道孝老師が務めた。さらに法堂に場所を移し「慶祝転読大般若祈祷」が行われ、采川総監が導師を務めた。10人の禅師が大般若心経を次々と転読し、堂内にはお経が響き渡った。その後、参加者は順に焼香し、先人の労苦に祈りを捧げていた。
 その後、場所を大鑑閣1階サロンに移し、慶祝昼餐会が催され、会は盛会のうちに終了した。
 ニッケイ新聞の取材に采川総監は落慶した大鑑閣について、「座禅会はもちろん、サロンもある。檀家さん以外でも結婚式などのイベントにも使用して欲しい」と応えた。
 12日に着聖した渕宗務総長は「おおらかな印象を受けました」とブラジル人の印象を語り、「植えてみて 花の育たぬ 里はなし」と詠み、先人の苦労を称えた。
 さらに、「(采川総監が)苦労していたのは知っていたので、大鑑閣を見た時には涙が出ました。黙って実行する姿こそ、禅です」と労いの言葉をかけた。
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 大鑑閣は日本の曹洞宗の各寺や檀家など多くの寄付によって建築され、地下1階、地上3階建て。1階にはサロンが設けられ、個々の家族に対応した納骨堂の設置も予定されている。
 2階には座禅堂を始め、佛心寺を開いた高階瓏仙禅師を奉った開山堂、歴代総監の位牌や、ブラジルの地方に布教へ赴いた物故者の位牌も並べられる。3階には茶室も備え付けられる。
 14日は午後1時から開山搭開眼供養、午後3時半から大権修理菩薩・達磨祖師像開眼供養などを予定している。
 15日は午前8時半から福山諦法曹洞宗管長代理の渕宗務総長の五ケイ三拝で始まり、9時から南米開教物故者諷経、10時から50周年慶讃法要などが行われる。

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