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農水省=兵庫県産海苔の輸出検討=本場の味と香り、普及へ=来年2月に再調査も

ニッケイ新聞 2009年11月25日付け

 兵庫県産海苔をブラジルに―。農林水産省は「平成21年度農林水産物等輸出ステップアップ推進委託事業」で、来年度から、兵庫県漁業協同組合連合会を通した県産海苔をブラジルに輸出する方針をほぼ固めた。加熱する寿司ブームに後押しされる形で、日本料理に使用する良質の海苔を提供する。

 この事業の調査のため、「三菱総合研究所」の中野正也主席研究員、斎藤美穂子研究員、同連合会の高瀬博文・のり海藻事業本部長兼のり研究所長が市場調査のため、このほど来伯した。
 サンパウロ市、パラナ州クリチーバ市で日本食料品店、日本食レストラン、ブラジルのスーパーを視察、海苔の需要の程度などを調査した。
 「ブラジル市場で出回っているのは韓国産、中国産のものが多い」と話す中野、斉藤両研究員は、「日本の海苔は味も香りも違う。パリパリと歯ごたえがあり、良質で全く別物」とその違いに強調、「本家日本の海苔を輸出する価値は大きい」と話す。
 兵庫県は全国で1、2位を争う海苔の産地。神戸市から赤穂、家島群島、淡路島の一帯で生産され、約17億枚(全国生産量の17%)の生産力があるとされる。
 高瀬所長も、「兵庫の海苔は色とつやが良い」と自信を見せる。
 しかし、輸入の関税などから、日本での価格の2~3倍の価格設定になるという懸念もあり、今後検討が重ねられる予定だ。来年2月に行われる再調査では、試食会も企画される。
 来社した兵庫県人会の尾西貞夫会長は、「来年に県連主催のフェスティバル・ジャポンで海苔を使ったオニギリを売りたい」と笑顔を見せ、母県自慢の味のブラジル普及に期待を寄せていた。

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