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商議所=田中信会頭が勇退=7年間の功績たたえ=忘年会で18人が労う

ニッケイ新聞 2009年12月16日付け

 ブラジル日本商工会議所(田中信会頭)は10日、サンパウロ市内ホテルで09年の忘年会を開催した。7年間商議所の先頭に立ち、今年で勇退する田中会頭の送別会を兼ね、会員など約180人が出席。来賓、関係者から労いの言葉が送られ、田中会頭は新執行部への期待とともに、関係者に感謝を表した。
 1973年に渡伯、今年で在伯36年になる田中会頭。「他の国であれば36年いれば大きな顔が出来るが、ブラジルでは40年、50年選手がうようよいる。絶えず不安を覚えながらブラジルを見てきた」と企業人としてのブラジル生活を振り返った。
 会頭はまた、70年代をピークに下降が続いていた日伯経済関係が90年代後半から上昇傾向に転じていることに触れ、「7年務めた会頭職を辞するにあたり良い土産になった」と語った。そして商議所創立70周年を迎える来年に向け、「日伯経済交流が活発化する今日、新しい酒には新しい入れ物が必要」と述べ、来年から就任する中山立夫新会頭へ期待を表した。
 最後に「数え切れないほど多くの人にお世話になったが、絶えず前方を見て走り続けて左右や後ろを見る余裕がなく、迷惑をかけた点もあったかもしれない。今後も会員として変わらぬご厚誼をお願いします」と感謝の言葉を述べると、会場から大きな拍手が送られた。
 続いてあいさつした中山新会頭は、「伝統ある商工会議所の発展に尽くしていく」と決意を表した。
 大部一秋在聖総領事は田中会頭の功績を称えるとともに、ブラジル経済が好調を続けていること、過去4カ月で日本企業の本社社長・役員など24人と会うなど日本側の注目が高まっていることを紹介し、「今後の日伯関係が上昇していくことを確信している」と話した。
 この日はまた、平田藤義事務局長が女房役を務めた7年間を振り返り、田中会頭への感謝の言葉とともに、「開かれた会議所」「チャレンジする会議所」「全員参加の会議所」を基本方針に進めてきた改革の成果を発表した。
 最後に後藤隆顧問から田中会頭夫妻に記念プレートを贈呈。日伯友好交流協会の代表者委員長でもあった田中会頭から佐伯ジョージ弁護士へ、同協会への尽力を称え記念プレートが手渡された。
 貞方賢彦顧問の発声で乾杯後は食事に移り、ピアニストの矢崎愛さん、サックス奏者の草村芳哉さんによる演奏や、マジシャンのセリオ・アミノさんによるショー、抽選なども行われ、11時ごろまで盛り上がった。

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