ホーム | 日系社会ニュース | 「ようやく目鼻ついた」=岐阜県人会=〝千葉県方式〟で募金集め=念願の新会館建築へ始動=県人移住100周年に向け

「ようやく目鼻ついた」=岐阜県人会=〝千葉県方式〟で募金集め=念願の新会館建築へ始動=県人移住100周年に向け

ニッケイ新聞 2009年12月22日付け

 ブラジル岐阜県人会(山田彦次会長)が2013年の県人移住100周年に向けて、新会館建築と同百年史編纂を掲げて動き出している。訪日した山田会長が9日に古田肇知事に面談するなどの呼びかけを行った結果、赤字の県が支出するのではなく、県民広くに募金を呼びかける「千葉県方式」で進めることになったという。この方式で千葉県人会は会館を完成させた。10年以上温められてきた新会館建設構想だが、今度こそ動き始めたようだ。

 サンパウロ市ブエノ・デ・アンドラデ街にある同会館は、築100年以上で、あちこちが老朽化して雨漏りするなど、新会館建築が10年以上前から総会で決議され、念願となっていた。08年の県人移住95周年の折り、古田知事も来伯して同会館を視察しており、現状は認識されている。
 現在の構想では、500平米の土地に3階建て、1千平米の延べ床面積の会館を建築するもの。法律上、道路側を5メートル、脇片側を3メートル幅で空ける必要がある。総工費は約1億円を見積もっており、うち5千万円を母県側からの支援に頼りたいとしている。
 新年の総会まで「目算をたてたい」との考えにより、先月22日から3週間、山田会長は訪日して交渉に当たっていた。それによれば、知事からは「金はない」と釘を刺されたが、県内の経済団体に対し、応分の協力を呼びかける約束をしてくれたという。
 県国際課と相談した結果、県民に募金を呼びかける「千葉県方式」で進めることになり、現在、来年に向けて下準備をしている。今後、ブラジル岐阜県人移住100周年記念事業協賛会を立ち上げ、知事や県市長会会長らを顧問とし、経済関係団体に協力を依頼する予定だという。その上で、県民広くに募金を呼びかけていきたいとしている。
 山田会長は「ようやく目鼻がついた」と胸をなで下ろすも、「どこまで募金に協力が得られるか。実現はそれ次第」という。「我々としては、会館を使ってくれる若い世代、後継者問題にこれまで以上に焦点をあてて活動して行かなくては」と表情を引き締めた。
 20日に同会館で行われた餅つき兼忘年会には青年ら10人以上を含めた約40人が訪れ、交代で餅をつき、酒を酌み交わすなど活気のある様子を見せていた。餅のような粘り腰で新会館建築に取り組んできた同県人会だけに、「今度こそ」との声が聞かれた。

image_print