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長野県=「メタ・インターナショナル」=ブラジル人児童の教育支援=朗読コンテストで学習意欲を

ニッケイ新聞 2010年1月14日付け

 【信濃毎日新聞】ポルトガル語の出版物発行や翻訳を手掛ける上田市の企業「メタ・インターナショナル」(ワンデルレイ・ダ・シルバ社長)が、県内外のブラジル人児童の教育支援活動「文化コミュニティー・プログラム」を17日から始める。児童対象の朗読コンテストを柱に、勉強への意欲を引き出す。
 同社は、景気低迷で職を失ったブラジル国籍の市民が子どもの教育に費用を掛けられなくなったり、帰国しても子どもが十分にポルトガル語を話せず苦労したりしていると知り、教育の支援を決めた。
 「文化コミュニティー・プログラム」は、子どもの読書を奨励する狙い。朗読コンテストは12歳以下の児童が対象で、課題図書の一部を朗読して発音の正確さなどを競う。ポルトガル語書籍の著者も招き、児童らと質疑応答する。伝統料理の販売や音楽演奏なども行い、家族で楽しめるようにする。
 参加無料。17日午前10時から上田市中野の多目的施設「信州うえだ農協モルティしおだ」で開くのを皮切りに、駒ケ根市や、群馬、愛知、静岡各県でも開く計画だ。
 併せてブラジル人学校やブラジル人児童が通う学校への図書寄贈も呼び掛ける。企業や個人に同社の出版物を割安で購入してもらって寄贈する方式で、収益は同プログラムの運営に充てる。活動が軌道に乗れば、同社以外の図書も扱うとしている。
 担当のモリシゲ・アキオ・アンドレさん(40)は「ポルトガル語の理解力を向上させる手助けをしたい」と期待する。

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