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日伯論談=テーマ「日伯経済交流」=葦部雪夫=アマゾナス日系商工会議所副会頭=金融危機後のマナウス産業地帯

2010年1月23日付け

 マナウス産業地帯(PIM=Polo Industrial de Manaus)全体における日本企業の数は全体の6%でしかないが、外資系企業における全体投資額の50%、さらには10万人の全従業員数の25%、利益も25%を占める。
 米国のリーマン・ブラザーズ・ホールディングス破たんが発端となった世界金融危は、ブラジル、そしてPIMにも影響を与えた。
 各企業はプロジェクトの見直し、投資の延期や市場に合った新モデルの発表など多様なストラテジー(戦略)を練って危機を乗り越えようとした。
 例えば二輪産業の企業の場合、企業が雇用数を維持することを保証する代わりに、州政府と連邦政府が一時的に監査にアドバンテージを与えるという協力体制を求めた。
 それによって州政府は、IPVA(車両税)を免除、またICMS(商品流通サービス税)の減税を奨励。連邦政府レベルでは、SUFRAMA(マナウス・フリーゾーン監督庁)による物資の輸入のためのCofins(保険融資納付金)、管理手数料(taxa administrativa)を免除した。
 さらに、経済回復のための連邦政府レベルでの重要な対策が他にも練られた。例えば、自動車産業に対するIPI(工業製品税)減税を、建築資材、家電製品、「MINHA CASA、MINHA VIDA」プロジェクトに関する建築へ拡大、また貸付額を拡大するなどである。
 政府によるこれらの対策が功を奏し、2009年第2四半期から徐々にPIMは回復の兆しを見せ始めた。
 SUFRAMAによって発表されたデータによれば、2009年1月から10月にかけてPIMにおける輸出額は6億7280万ドル。10月の収益は、30億2千万ドルというPIM史上2番目に良い数字を記録している。
 09年度のプラズマ・テレビやLCDテレビの生産は、前年比30%の増加成長を見せ、電子電気産業全体の収入は、金融危機後にも関わらず前年度の収入とほぼ変わらなかった。
 2010年のサッカー・ワールドカップ南アフリカ大会をきっかけに、電子電気産業はプラズマ、LCDテレビの生産を拡大し、今後さらに伸びるだろう。
 省の奨励に応じて、多種多様のデジタル放送受信対応機種モデルを生産し、2011年には、全モデルが対応することになっている。今年度は、完全に危機を克服する見通しである。

葦部雪夫(あしべ・ゆきお)

 ブラジルパナソニック社経営部長。アマゾナス日系商工会議所副会頭。アマゾン産業センター理事長、マナウス電子電気機器産業組合(SINAEES)理事。

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