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東京農大会=亜国で汎米校友大会=在外50年以上の校友顕彰へ

ニッケイ新聞 2010年2月12日付け

 ブラジル東京農大会(大島正敬会長)は7日午後、サンパウロ市の会館で第31回定期総会を開催した。今年はアルゼンチンでパンアメリカン校友大会が開催されるほか、同会事業としてブラジル東京農大会記念誌の編集準備に入る方針を確認。またベレンの北伯農大会からは、今後地元のアマゾニア連邦農牧大学との交流を進めていく考えが発表された。
 総会冒頭、物故校友・関係者と、校友の夫人で今月2日に起きたバス衝突事故で死去した三木八重子さんを偲び、一分間の黙祷を捧げた。
 昨年は母校の教授らを迎えて創立30周年記念学術シンポジウム(サンパウロ市)やベレンでの座談会を開催した農大会。昨年度収支は、収入約13万1千レアル、支出約12万7千レアルで、約4千3百レアルを繰り越した。会館宿舎を利用した下宿料、宿泊料収入は4万レアル以上となっている。
 今年度予算は昨年より低い約10万6千レアル。9月に亜国ブエノス・アイレスで開催されるパンアメリカン校友大会参加のため、母校の松田藤四郎理事長や各国の校友が来伯することが見込まれており、事業費を増やす提案もあった。決算、予算案ともに拍手で承認された。
 今年は、慰霊祭(7月25日)や実習生受け入れ、同大国際バイオビジネス学科留学生選考など例年の事業に加え、ブラジル東京農大会記念誌の作成準備に入る方針を確認した。これから編纂委員を選び進めていく予定で、「3年くらいかかるのでは」と大島会長は話す。
 汎米校友大会にあわせ、来伯関係者の歓迎会を開催するほか、トメアスーの墓参やグアルーリョスにある慰霊碑での慰霊祭なども行う予定だ。
 さらに、今年は拓殖学科(現国際農業開発学科)一期生が卒業して50周年にあたることもあり、在外50年以上になる校友を顕彰することが提案され、理事会で検討を進めることになった。
 一方、実習生の受け入れについてベレン北伯農大会の山中正二会長(農大会副会長)から、治安の問題から実施が困難になっていることが報告された。対応策として山中会長は、昨年トメアスー出身の沼沢末雄氏が学長に就任したアマゾニア連邦農牧大学との間で実習・奨学制度や、水産関係の技術提携などを模索していく考えを明らかにした。
 当日は、今年の国際バイオビジネス学科留学生として訪日する南クリスチアーネ初美さん(28、ピラール・ド・スール)、木村ミリアン聖子さん(21、ジャカレイ)と両親も紹介された。南さんは農業経営管理分野、木村さんは経営や環境分野についての勉強に期待を表していた。
 総会後は新年会で一同懇談。最後に原島義弘さんのリードで農大学歌を歌い、にぎやかなうちに終了した。

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