ホーム | 日系社会ニュース | 松柏学園=川村真倫子さんを顕彰=記念映像と著書出版=教育者60周年を=11日

松柏学園=川村真倫子さんを顕彰=記念映像と著書出版=教育者60周年を=11日

ニッケイ新聞 2010年6月5日付け

 今年教育者生活60周年を迎えた松柏学園園長、川村真倫子さん(81、二世)の教え子や父兄が中心になって、ドキュメンタリー映像「厳しさありがとう」と著書(日本語『人はみな言霊(ことだま)の幸(さいわ)ふ光』)の準備が昨年から進められ、11日午後7時からサンパウロ市のアニャンビー国際会議場エリス・レジナ講堂で記念パーティが開催される。

 コーディネーターの平田マリオさんは、美容用品販売大手のInvel社の社長で、1年前から川村さんから日本語を教わっているが、「先生は81歳にして『まだまだ勉強しなくては』と常々いっている。日本語だけでなく、考え方、態度、歴史や哲学まで幅広く教わっている。その全てが本当に素晴らしい」と感じていることが、今回のイベントを企画した動機と説明する。
 教え子には飯星ワルテル連邦下議を筆頭に、ピアニストでベルリン・ドイツ交響楽団で活躍するマサユキ・カルバーリョさん、イマージェンス・ド・ジャポンの奥原マリオ淳さんらもいる。
 奥原さんが飯星下議らの証言を撮影し、カルバーリョさんがこのために来伯して音楽をつけた。まさに教え子による合作となっている。約40分ほどの映像で川村さんの哲学、生徒たちからの証言がまとめられており、11日の記念パーティで披露される。
 子供を同学院に通わせているインスチツート・パウロ・小林の小林ビットル代表も、「息子の成長の様子を見て、その教育の成果を心から賞賛したいと思った。ぜひみんなに参加して欲しい」と呼びかける。
 本は、ブラジルで録音されたテープを日本で専門家が書き起こす形で執筆され、当日までに日本で出版され、ブラジルに搬入される。これらは協賛企業やOBらの寄付によって実施されている。
 川村さんは生涯授業を続けるつもりだが、当日は公の場からの〃幕引き〃として最後の講演も行われる。入場は無料。DVDや本やその場で販売され、利益が出れば学校に寄付される。

大志万学院で講演会=丸山、小原氏ら縁の人が=12日

 12日午後2時から4時まで、「教育者の道を歩んで60周年」記念事業の一環として、大志万学院講堂で講演会が行われる。
 日本の財団法人倫理研究所の丸山敏秋理事長が「日本人の精神文化と倫理」、玉川学園創立者の曾孫の小原一仁(かずひと)さんが「全人教育について」をテーマに講演する。二人とも川村園長とは縁が深く、教育理念や日本文化についての深い話が聞けるという。講演は日本語で、ポ語の同時通訳が入る。
 12日の講演会は無料だが、要予約(11・5908・0019まで)。
 来社した斉藤・上田・永実副校長は、「特に教育関係者のみなさん、関心のある方にいらしてほしい」と呼びかけた。会場住所(=Rua Ferdinando Galliani, 80 – Vila Mariana)。

image_print