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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年7月17日付け

 「日本祭り」が始まった。今年で13回目になるそうだが、網野弥太郎さんが「郷土の味」を打ち出して始めたころに比べると、規模はとてつもなく大きくなり、「味」もながら最新のトヨタやホンダが煌びやかに飾られ、和菓子などの店々がところ狭しとばかりに並ぶ。東麒麟は自慢の純米酒や米焼酎と賑やかなこと夥しく、訪ねたい県人会売り場が消えてしまったような錯覚に陥るほどに賑々しい▼さて―本番の「食」に移るけれども、これまた年を重ねるごとに美味そうなのが増えているのは楽しい。毎年、足を運んでいるのだが、1都2府に始まり40と幾つかの県があるのだから未だ故郷の名物料理を食べ尽くしたわけではない。山梨の「ほうとう」や秋田の「きりたんぽ」は舌に乗せ「やはりお袋の味だな」と感激し、昨年は沖縄の逸品「やぎ汁」に舌鼓を打ち、何故か握り飯ひとつのおまけが嬉しかった▼今回は岩手県の「盛岡冷麺」に目を向けたい。これは1昨年もあったが(昨年はなかったように記憶している)、あの韓国の珍味を日本で初めて売り出したのが盛岡市であり、恐らく韓国系の料理人が腕を振るったのに違いない。それと―栃木県の「宇都宮の餃子」も、涎が出そうである。これも戦時中に中国などで戦った兵士らが終戦で帰国後に商売にしたものと聞くし、歴史は浅いが、もう郷土食と評価していい▼茨城の「あんこう汁」は、言うところの「鮟鱇鍋」ではなかろうか―と胸を弾ませている。あの吊るし切りの庖丁さばきは見事なほどの技であったし「日本祭り」の楽しみは尽きるところがない。(遯)

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