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■訃報■後藤留吉氏

ニッケイ新聞 2010年9月21日付け

 カンピーナス日伯文化協会の2代目会長を務め、同会館建設に尽力した後藤留吉さんが19日午前2時ごろ同市内の病院で呼吸不全による心臓停止で亡くなり、翌20日朝フランボイアン墓地に埋葬された。享年102。初七日の予定はなし。遺族によれば49日は行うつもりだが、まだ日時は確定していない。
 1908年、兵庫県神崎郡(現在の姫路市)生まれ。20歳の時、28年に自費で渡伯。一時期、海興職員をした後、31年から東山農場に勤務し、その中で食料雑貨店を経営した。その後、ポリエチレン工場を建設し、苦労して軌道にのせた。その間の事情は著書『雑草の如く生きて』に詳しい。
 95年の阪神大震災では故郷・姫路に義捐金を送り、神戸港に移民乗船記念碑建立の話が持ち上がった時もまっさきに寄付し、募金第1号として話題になった。日本外務大臣表彰(95年)、カンピーナス名誉市民権(98年)なども授与された。近年は梅林に囲まれた農場で梅酒などの研究に没頭し、自適の生活をしていた。子供は7人、孫は9人、ひ孫は4人だった。

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