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史料館=三菱重工が移民船写真寄贈=12月に全船紹介の展覧会

ニッケイ新聞 2010年9月22日付け

 ブラジル日本移民史料館(栗原猛運営委員長)は20日、文協ビル内でブラジル三菱重工業(西岡信之社長)から移民船写真33枚などの寄贈を受けた。贈呈式には西岡社長、栗原委員長、山下リジア玲子副委員長が出席。写真データが入力されたCD、関連資料が渡された。
 今年5月に三菱重工業機械鉄構事業本部の阿部孝副本部長が同史料館を見学した際に寄贈の話が持ち上がり、このたび実現した。このほかに、IHI(旧石川島播磨重工業)や、ブラジル海軍からも資料提供を受けた。
 栗原委員長によれば、戦前戦後合わせて62の船舶が移民船としてブラジルに入港しており、その製造の約7割を三菱重工が請け負ったという。
 今回の提供により、今年入港100年を迎える旅順丸や、厳島丸、伏見丸、三島丸の写真が加わり、戦前の34全ての移民船写真が揃った。その他、祥川丸、盛運丸、戦後力行会有志らが移住の際に乗り込んだ軍艦2隻も追加された。
 同史料館は12月に移民船を一挙に紹介する展覧会を企画中。資料を受け取った栗原委員長は寄贈に謝意を表し、続けて「今後、船歴紹介も更に充実させていきたい。皆さんに自分の乗ってきた船のことを知ってもらえれば」と展覧会に向けて意気込んだ。

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