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ハイチ平和維持軍を訪問=平崎さん打ち合わせで

ニッケイ新聞 2010年9月23日付け

 「まだ町中が瓦礫の山。それが普通の状態なんです。地震の傷跡が生々しい」。8月31日から3日までハイチを訪問してブラジル陸軍と打ち合わせをしたサンスイ(中林トシオ社長)=本社・エンブー市=の平崎靖之社長補佐は、そう印象をのべた。
 ブラジル陸軍のポール・クルス少将が国際連合ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)の平和維持軍の総司令官を務め、自社製品を多く納めている関係で、今回ブラジル陸軍と自衛隊を訪ねた。同ミッションは総勢8900人で、うちブラジル軍は2300人、自衛隊は330人。
 陸上自衛隊第9師団青森駐屯地から派遣された国際救援隊の佐々木俊哉隊長(1等陸佐)は、8月28日に着任したばかり。静岡県浜松市出身で、9月1日に公式訪問した平崎さんに、「うちの周りにデカセギの方がいっぱいいますよ。こうやってブラジルの軍隊と一緒に行動できてとても光栄」などと感想をのべたという。
 平崎さんが持参した同社紹介DVDには日語版があり、同救援隊幹部に見せるととても驚いた。「今年移民102周年を祝ったんです」と説明すると、「活躍しておられるのですね」と感心していたという。
 ブラジリアのマリウス・テイシェイラ・ネット陸軍参謀総長の招待状でハイチに公式訪問した平崎さんは、陸軍の将官待遇で接された。クルス総司令官は自衛隊のことを「時間などとても正確な行動をとる。規律や組織がきちっとしている」と誉めていたという。
 サンスイは伯陸軍にテントを納入したほか、ルーラ大統領が4月にハイチ訪問したおり、現地政府にテント1千張り(10人程度収容)を贈ることを表明し、それを同社が納品した。5月に軍艦が届けているが、台風の季節が終わるのをまって組み立てる予定。平崎さんは「平和維持軍はとても仲良くやっている」と笑顔を浮かべた。

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