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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年1月5日付け

 移民は2度年越しをする。10年ほど前にNHK国際放送が開始されてから特に感じるのだが、大晦日の午後1時前には紅白歌合戦が終わって「行く年来る年」が始まり、各地のお寺で鐘を撞く様子の中継を通して、日本独特の静かな年越しを感じるのが、まず1回目▼かつてはNHK短波ラジオで大晦日の午前中に紅白を〃聞いた〃りしたが、これほどの臨場感はなかった。やはりテレビという媒体だと、まるで自分が画面の中の続きに居るような気分になるのは独特のものがある▼その11時間後、当地の賑やかな年越しが盛大に行なわれる。天も焦がせと打ち上げられるリオの海岸の花火、パウリスタ大通りの大群衆はもちろん、世界各地の名所で花火が打ち上げられる様子が次々にテレビに映し出される。どの国も判で捺したように派手な花火で祝う中、日本だけが静謐な鐘の音なのが不思議だ。だが、それこそがグローバル世界における「日本の独自性」だ。季節感が繊細な日本では花火を上げるのは夏だけで充分だろう▼大晦日の晩に日本の両親に電話したりするのだが、向こうは元旦の朝、こちらは大晦日の晩で、ちょっと会話がちぐはぐなのがご愛嬌、国際電話が安価になった昨今ならではの出来事か。20年前なら国際電話も高くて、そう気軽にできるものではなかった。いまじゃあ10レアルのカードを買えば1時間半はしゃべれるから、時代の流れとしか言いようがない▼大統領就任式に麻生元首相を先頭に国会議員が4人も来伯したのは、日伯関係にとって幸先の良いスタートだ。民主党は早いところブラジル通議員を育てて欲しい。それとも自民の政権奪回の方が先?(深)

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