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文協選挙=木多会長と小川氏に抱負聞く=大勢決する評議員選挙=立候補受付け24日まで

ニッケイ新聞 2011年2月17日付け

 注目のブラジル日本文化福祉協会の会長選挙に立候補すると予想されている木多喜八郎現会長(66、二世)と、対抗候補である小川彰夫氏(68、二世)に現在の所信を聞いてみた。大規模な国士舘プロジェクトを掲げる〃大きな政府〃的体制派に対し、小川氏は地方とのつながりを強調して「みんなの役にたつ存在に」と〃小さな政府〃を掲げる。実際に会長が選ばれるのは4月だが、3月の定期総会で評議員選挙が行われる。この評議員にしか理事会選挙の投票権がないため、知名度の高い候補者をどれだけ立てられるかが最初の勝負だ。その意味で、一つの山場は24日に締め切られる候補者受付けといえそうだ。

 今までの選挙では常に競り勝ってきた上原前会長以来の現体制派と、対抗派との闘いは現在の評議員候補受付けで火ぶたを切って落としている。
 「まだ正式に立候補していない。僕が立候補するのは80%ぐらいの可能性」と木多会長は10日晩に語った。「木多がやった方がいいとみんなが思ってくれて、どうしてももう1回ということになれば出馬するけど、自分からやりたいということではない」と祭り上げられれば出るとの姿勢だ。さらに「希望の家の理事を4年間、会長を16年間やった。あの20年間で本当は日系社会への貢献は十分やったと思っていた」とも振り返った。
 昨年12月の評議員会では「文協エコロジーパーク構想」が承認された。土地の一部を分割、個人・団体に対し公開入札し、計画書を検討したうえで25年の契約を結ぶもの。文協が借り上げ主に〃計画案〃として提案するのは「史料館、図書館、映画館、劇場、レストラン、茶室からなる文化センター」「プラネタリウム、天文観測所、宇宙博物館施設も持つリゾートホテル」「日本の典型的な村建設」などの壮大な構想だ。
 文協自身もイベント会場として賃貸できる施設の充実、展示場、多目的講堂、常設ステージ、食堂スペースを含む「コンベンションセンター」の建設を検討するという。
 木多会長はこの国士舘構想に関して「僕はまずファゼール(実行)をする。ファラール(説明)は後から」とだけ答え、「実はそれ以外にもいろいろ考えているけど、まずはやってみせたい」と意欲をみせ、「僕にはエキッペがある」とだけのべた。
 一方、対抗派の小川氏は以前から聖南西、リベイラ地域を中心に地方での支持基盤を築いてきたが、11〜13日にはバストスやプレジデンテ・プルデンテも回り、評議員選挙への立候補を訴えてきた。この評議員選挙でより多くの親派を送り込むことが、会長選挙を制する最大の関門だからだ。
 評議員への立候補は24日に締め切られるが、小川氏は「評議員の一票の力は大きい。文協を良くするために、みなさんどんどん立候補をしてほしい」と語り、文協を良くするための相談に乗るので連絡(電話=11・9631・9521)をと呼びかけた。
 加えて「30年間文協の会員として貢献してきた人が、評議員に立候補するのに5人の推薦人が必要というのはいかがなものかと思う」とも。
 「いろいろな日系団体とのつながりの要になるのが文協の役割。もっと地方の声を文協に反映したい」との抱負をのべた。「文協にはお金がないことを忘れるつもりはない。僕はできる範囲で計画を立てる。どうしたらみんなの役に立てるか、それを中心に考えたい」と語った。

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