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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2011年5月4日付け

 本紙6面で紹介している『がんばろう!ニッポン〜日系社会は応援する』に掲載された寄稿の、東日本大震災で被災した人々に対する「海外へ出ることを考えてみては」という内容に同感した。
 戦前、戦後移民の多くは、絶望的な状況だった日本から抜け出そうとした人々だ。彼らの大変な苦労があって、今の日系社会は存在している。
 もちろん個人差はあるものの、現代の日本の若者が全般的に「外に出ない」「安定志向」だと言われて久しい。
 かつての移民のように「経済的豊かさ」を追求する若者は少数派だ。近代化を終えて久しく、経済が停滞し生き方も多様化している日本では当然の流れかもしれない。
 しかし、閉塞感の強まるなかで、移住の目的や形は違えど、海外へ出るという人生の戦略を持つのは数少ない希望のうちの一つとも思うのだが。(詩)

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