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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2011年6月2日付け

 帰伯者向け研修会でポ語教師の酒井賛子さんは、子供達が帰伯してポ語を話せず授業にもついていけないのは、家庭内でポ語が話されないためだと話していた。
 言語学習では「耳に慣れさせる」ことが最も重要と酒井さん。確かに言語は、耳で聞いたことを真似して口に出し、それを繰り返して習得できる部分が大きい。
 記者も家族と話すときは生まれ育った土地の言葉を話し、自然と相手の言葉遣いで話している。大人でもそうなのだから、まだ言語習得の初期段階である子供はさらに飲み込みが早いと思う。
 日本も労働に明け暮れる日々移民を過ごしたのはデカセギと同じだったはずだが、多くの二世がバイリンガルに育ったのが母語にこだわり続けた結果なら、子供への数段優れた教育だったと感じる。それをデカセギが生かせなかった背景には何があるのだろう。(詩)

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