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【第二アリアンサ鳥取村】歴史残す冊子を綴る=農場内に〃博物館〃も=佐藤勲さん(71、二世)

ニッケイ新聞 2011年8月3日付け

 式典が行なわれた会館の前で、『第二アリアンサ物語』と書かれた冊子を配布した。生まれも育ちも第二アリアンサ。妻ローザさん(67、2世)とゴム園を営む。
 村の人口を調べたことをきっかけに、10数年前から歴史に関する資料収集を始めた。
 「村の歴史に関心のある人は少ない。どのように村ができて、それにどういう人が関わったのか、今のうちにまとめて残しておく必要がある。本は山のようにあり読むのも難しいので、誰でも簡単に読めるものを作りたい」と語る。
 最初の冊子は80周年式典(06年)にまとめた。百周年(08年)で改訂したものが下地だ。
 自身が綴った移住史のほか、村の出身者が執筆した回想録なども。人口、歴代自治会長、交流史など広範囲にわたる。
 さらに、入植当時の様子、入植初期から現在までの在籍全名簿、小学校入学者全名簿などを網羅した新たな冊子の完成に向け余念がない。
 「不要な部分を削ぎ落とし、さらに良いものにしたい。完成度が上がったら、専門家に見てもらって書き直すようにしたい」と意欲を見せる。
 また、農園内の一角に〃博物館〃を設け、一般に開放している。当時の小学校や歴代記念式典の写真、入植初期に使用された農機具や家具、日用品を保存・展示する。
 現在、家系図の作成にも力を込める。「先祖がわかる人がいる今のうちから家系図を作っておき、我々の子孫が自分のルーツを辿れるようにしたい」
 「村の出身者で関心のある方は、メールなどで連絡を取り合い、研究を深められれば」と呼びかけている。
 連絡先は佐藤さん(18・3708・1315、Eメール=emavia.sato@itelefonica.com.br)まで。

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