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桜研究家 岡村比都美さん講演会=桜文化消失の危機訴え=花びらが彩る料理も紹介

ニッケイ新聞 2011年8月11日付け

 ゼリー、ご飯、茶、塩漬け—。桜工房『アトリエさくら』を運営する岡村比都美さんによる講演会『桜は散ってからが面白い』が農大会館で6日にあり、36人の来場者たちは桜づくしの1日を楽しんだ。
 講演会は概論から始まり、「北海道で桜と言えば大山桜、沖縄では沖縄桜、松尾芭蕉などの俳句に出てくる桜は山桜」と一言に言っても何百種類もある桜が紹介された。
 一般にある桜も「環境の悪化や手入れの怠りから寿命を縮めている」と、古来から日本人が育んできた桜文化が失われることを危惧し、小学校と提携し、約10年間保全活動に取り組む。
 手入れ次第で元気を取り戻した桜の写真には、来場者からも驚きの声が漏れた。
 活動当初は染物に取り組んでいたが、「有用性がないと誰も関心を持たない。人が一番興味を持つ食でメッセージを伝えよう」と決意、桜を利用した食べ物を開発、普及してきた。
 関心を集めたのは、やはり桜料理。農大会の沖眞一会長が自身の畑で育てた桜の花びらを皆で摘み、2回灰汁抜き、レモンを絞って煮込んだ砂糖漬けを紹介した。
 桜葉茶で炊き込み、ほんのり香りがついたご飯にピンクの桜ふりかけをかけたものもあり、「いい香りだね」と感想を話しながら楽しんだ。
 岡村さんによれば、一番食用に向くのは「関山」。花びらを甘く煮てパンやケーキに混ぜたり、実をアルコールにつけて桜酒にしたりと応用の幅は広いものの、手間やコストがかかるため、食用桜を育てる人は少ないという。
 宮崎一子さん(80、サンパウロ市)は、「日本文化を子どもに残すには、食が一番」と熱心に料理法を教わっていた。

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