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レジストロ灯ろう流し=平和学習、これからも=文協、学校がタッグ組み

ニッケイ新聞 2011年8月20日付け

 【既報関連】レジストロで13日にあった『第3回平和灯ろう流し』。灯ろうを作り、「原爆ゆるすまじ」「千羽鶴」を日本語で歌ったのは、ほとんどが非日系人の私立、州立学校13校の生徒たちだ。
 レジストロ市からは市内にある学校のほぼ半数にあたる11校が参加しており、同地文協の金子国栄会長によれば、「参加希望学校は年々増えている」という。
 08年の移民100周年を機に、文協と地元学校が協力して始まった平和学習の取り組みについて関係者に聞いた。
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 灯ろうを作ったのはランタギ私立学校の3年から6年生までの生徒たち。「PAZ(平和)」の文字と共に虹などが描かれたシャツを着込み、式典に臨んだ。
 授業に関わったソライア・オザリさん(45、三世)は、「原爆について学んだ後、平和への願いを自由に描かせた。学ぶだけでなく、自分の思いを形にすることが大切」と語る。
 日本語の歌を披露したアントニオ・フェルナンデス・レジストロ州立学校は、今年5月から週に2回原爆に関する授業を設け、歌の練習や戦争の歴史を学んだ。文協会員が日語の歌をポルトガル語に翻訳したものを朗読する授業も。
 「日本語で歌うことはそんなに難しいとは思わない。でも言葉の意味を知っても想像することは難しい」とエドワルダ・シルバさん(13)。
 ライッサ・マイヨーラさん(12)は、「原爆投下はとても悲しいこと。私と同い年の女の子達が働きに行く途中で亡くなったと知ってつらい思いになった」と衝撃を隠せない。
 山間に位置するイレーネ・マッシャード州立学校からは、22人が出席して合唱。サンパウロ市であった日本移民100周年式典でコーラスに参加以来、日本語の歌を練習し、平和学習も行ってきた。
 今年は6月から歌の練習を含め週2回の授業を行い、インターネットを通して原爆投下直後の町の様子や被爆者の症状を見た後、生徒達で討論する授業も設けた。
 ファビオラ・ローザ教諭(35)は、「戦争を知らない幸せな子供たちに私達が知識を話しても響かない。近くに住む日本人のおばあさんを学校へ招き、戦時中の体験を話してもらった」と取組みの工夫を語る。
 マウリリオ・ネグロ校長(49)は、「ここは日系人の多い町なので、生徒達も自然と日本に対し興味を持っている。共に暮す人々の歴史を学ぶ事は重要です」と語気を強めた。
 金子会長によれば、文協の呼びかけにより、レジストロ市教育局で教師らと勉強会を開いたほか、毎年6月にある日本文化週間では原爆や地震についての作文コンクールも開催。
 「文協が持つ原爆の写真やパネル資料を貸し出すなどして活用していきたい。平和学習は継続することが大切。文協と学校が連携し、灯ろう流しと共に続けていきたい」と力を込めた。

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