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【ブラジル修養団連合会】「愛と汗」で青少年育成して40年=記念式典サンパウロ市で盛大に=「友情をここで育んだ」

ニッケイ新聞 2011年9月10日付け

 互いに親しみ努力する「愛と汗」をモットーに子供の健全育成を目指し、3日間の少年少女講習会を毎年実施するブラジル修養団連合会(桜井仁会長)が今年で40周年を迎えたことを記念し、4日にブラジル宮城県人会で式典が執り行われた。青年リーダーに成長した元参加者、ポルトガル在住の蓮沼秀雄副総務やマリンガ、マウワ・ダ・セーラ、アサイ等遠方からも数々の協力者が駆けつけ、在聖日本国総領事館の成田強領事部長、安部順二連邦議員ら来賓も併せ、約250人が今後の発展への意欲を新たにした。

 同連合会総務であり、約20年間講習会の全責任者を務める蓮沼芙美雄さんが、「毎年約千人参加するまでに講習会が成長したのは皆様の協力のおかげ」と開会の挨拶をした。
 続いて日伯両国歌を斉唱し、修養団の両国先亡者に黙祷を捧げた。創始者の蓮沼門三氏が作詞した「誓願」を歌い、改めて教えを心に刻んだ。
 来賓らによる挨拶では、始めに成田領事が「非日系の参加も増えてきたと聞く。更に発展し、日伯交流を盛んにしてもらいたい」と激励した。
 次に羽藤ジョージサンパウロ州議が「青少年が暴力や犯罪に手を染めるわが国には、規則を重んじる修養団が必要だ」と力説した。
 協力者として37年間活動に携わる下本八郎元州議も、「人格形成の真っ只中の子供と接するという貴重な機会を与えてもらった。国造りは人間造り」と力を込めた。
 木多喜八郎文協会長、パラナ日伯文化連合会の上口誠一元会長、汎スザノ文化体育農事協会の東ルイス元会長らも同連合団の取り組みを賞賛し、祝辞を述べた。
 清水オリジオサンパウロ市議補佐官は、「『蓮沼信一』が通りの名として残ることになった」と発表し、市議会からの銀のプレートを授与し、安部連邦議員からも賞状が贈られた。
 続いて本部から、現在70歳以上で40年以上の協力を行なった桜井会長および蓮沼総務に名誉団員賞が、34年間活動に携わる講師の坂野聖剛さん(62、二世)=サンパウロ市=には蓮沼賞が授与された。
 団体としては宿泊施設を提供してきた石橋稔花卉園、汎スザノ文化体育農事協会、モジ文化協会、アサイ文化連合会、マウア文化体育協会、パラナ日伯文化連合会、マリンガ地区日語学校連合会の7団体が受賞した。
 またブラジル側からも150個人、20団体の協力者に表彰があった。
 受賞者を代表して坂野さんが、「様々な役割を通し、人生の大部分を修養団で過ごし貢献してきた。これからの修養団を担う若者と協調していくためにも、自己刷新していきたい」と挨拶をし、また元参加者からも4人が代表し言葉を述べた(別途掲載)。
 閉会後、「天地一切のお恵みと、これを作られた人々のご苦労を感謝致します」と皆で唱え、ケーキカットと乾杯音頭が行われた。寿司や刺身など豪勢なブッフェに舌鼓を打つ中、会場はカラオケや傘踊りなど様々な余興、団員らが活動の魅力を語る劇などで更に賑わった。
 元参加者たちは、「学ぶ機会のなかった家事や掃除など、日々の仕事を修養団で学んだ」「一番の友情をここで育んだ」などと口々に語り、絆の強さや学びの場としての魅力を伺わせた。
 帰り際、蓮沼総務は親しげに握手を求めに来る青年らと別れの挨拶を交わしながら、「彼らは『小さい子供がいるからまた参加する』と言い、本当の家族のように面倒を見る。講習会は教えつつ教わり、成長するチャンスに溢れている」と目を細めた。

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